カテゴリー「フィンランド(語)」の記事

スローライフセミナー (6/2)

直前のお知らせで恐縮ですが,日本・フィンランド修交90周年記念事業のひとつ「日本フィンランド スローライフセミナー:時間・テクノロジー・幸せ」が 明治学院大学 白金キャンパス パレットゾーン2階 アートホールにて,2009年6月2日(火)15:00より開催されます (第2部は18:30~,こちらは「スローライフと懐かしい未来」と題するトークと音楽の夕べ)。詳しくは,フィンランド大使館ホームページのお知らせ をご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本フィンランド修交90周年記念

1月にフィンランド大使館で情報交換セッションがあり,その際,ラムステッド博士が初代フィンランド大使として来日して日本とフィンランドが外交関係を樹立してから2009年で90年になること,それを記念するイベントが数多く企画されていることが紹介されました。その中からご紹介:

今年の大きな目玉となるイベントが,東京交響楽団による,シベリウスの後期作品としても重要で,かつ最も大規模な劇音楽作品である 「テンペスト」作品109 の全曲演奏でしょう (2009年9月5日(土) 午後6時~,チケット発売中)。東京オペラシティシリーズ の第51回演奏会となるこの企画,指揮は大友直人さん。フィンランドから歌手が来ることを見ると,フィンランド語版ですね (作品自体の初演はデンマークだったようです)。フィンランディア,悲しきワルツ,カレリア組曲などおなじみの曲も演奏されます。

シェークスピアの想像力あふれる脚本も魅力の「テンペスト」,シベリウスの作品としては劇音楽から採った組曲2曲の方が有名です (第1番は豪快,第2番は繊細)。現在の公式な全曲版は1927年にフィンランドで演奏されたものに基づいており,コンサート版の初演 (フィンランド語) は1992年にフィンランド中部の Lahti でおこなわれ,初演メンバーでの録音 (BIS CD-581) もあります (初演時の録音ではテナーが2名,9月の演奏会ではバリトンが2名のようですね)。この他,Saraste 指揮フィンランド放送交響楽団による録音 (フィン Ondine ODE 813-2) もあるようです (こちらはバリトンが2人)。

ステージ裏やステージ上方で演奏,などという特殊な効果もあるようですので,演奏会が楽しみですね。ちなみに,組曲版の演奏はたくさんありますが,Segerstam 指揮,Helsinki フィルの演奏 (フィン Ondine ODE 914-2) がお気に入りです (以前サンプラーとしてかなり安い値段で頒布されていたような...)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

YLE podcast アドレス変更

YLE Podcast の登録 フィンランドから帰ってみたら,YLE (フィンランドの放送局 Yleisradio) のポッドキャストのアドレスが軒並み変更になっていました。アドレスの登録は YLE の podcast 一覧ページ にある RSS アドレスを iTunes などのツールにドラッグアンドドロップすればOK。簡単です (画像を参照してください)。iTunes-linkki というリンクがある番組は,そちらをクリックしてもいいようです。

まだ番組一覧を精査してはいないのですが,いくつかの番組が整理 (統合?) されたようなのと,番組内容を表すタイトルから日付が抜けてしまっていていつの番組か分からない,など不都合もありそうです。とりあえずのお知らせでした。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

高校生から大人に(フィンランドの場合)

フィンランドの高校生の卒業イベント penkinpainajaiset 於ヘルシンキ ヘルシンキ滞在中です。先週たまたま高校生の卒業イベント penkinpainajaise-t (< penkinpainajainen の複数形) [ フィンランド語のページ Wikipedia | 英語 ] に遭遇しました。卒業を予定している高校生 (abiturientti,口語では abi) たちが正式な授業が終わる日 (実際にはその前日らしい) に仮装をしてそれぞれのメッセージを掲げたトラックの荷台に乗り,歓声をあげながら町を行進する,というもので,たくさんの人が北エスプラナーディの通りに出て彼らを祝福していました。トラックからはキャンディやらチョコレートやらが投げられ,ここぞとばかり袋いっぱいに集めている人もいました。

penkinpainajaiset は文字通り penkki「ベンチ (この場合はトラックの荷台)」を paina-a「重くする」イベントで,口語では penkkari-t と呼びます。いずれも複数形 (複数主格語尾は -t)で使います (複数形はお祭りやイベントを表す名詞によくあります)。フィンランドだけの行事ではなく,スウェーデンにも同じようなイベントがあるそうです (bänkskuddardagen, penkkis)。

penkinpainajaiset のようなイベントは日本にはありません。テレビでニュースを観ていたら,インタビューされて「penkkarit は古い習慣で,面倒くさい」と答えた高校生もいましたが,私としてはこのようなイベントには,彼らが高校生活を締めくくる社会的な意味があるように思います。「高校生から大人に」なるお祭りが用意されていて,大人たちがそれを祝福し,彼らは「高校生として」大いにはじける,また子供たちがそのお祭りをみて「僕も,私もトラックに乗って騒ぎたい」と思う... 日本には成人式があるじゃないか,と思われるかもしれませんが,成人式はあくまで成人する人たちのための式であり,多くの大人にとっては「自分たちとは関係ないイベント」になってはいないでしょうか。

そもそも,私たち日本人は自分たちが住んでいる町で,いったい何人の高校生が卒業するか,実数はともかくイメージすることができるでしょうか?フィンランドの人たちは「トラック何台分」というとても具体的なイメージで,大人に仲間入りする子供たちを毎年実感するのです。これから卒業のための試験を受け,社会に巣立っていくフィンランドの abi たちに,大きな声援を送りたくなるこの気持ちを,同じように社会に巣立とうとしている日本の高校生にはどのように伝えたらよいか,考えさせられるひとときでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年度通年フィンランド語講座「コミュニケーションのためのフィンランド語」 開講します

麗澤オープンカレッジ (ROCK, 千葉県柏市) にて,2009年4月~12月に通年講座 「コミュニケーションのためのフィンランド語 (入門~初級)」 を開講します。(Webでの申し込みは3月3日に締め切られました。追加のお申込みはご面倒ですが ROCK 事務室 (TEL: 04-7173-3664) までお問い合わせください。)

問い合わせがあったようですので:「教科書」として指定されている 『CD付 ゼロから話せるフィンランド語』 は参照用・復習用参考書です (受講者の皆さんお持ちであるほうが便利ですので挙げてありますが,そのまま使うわけではありませんので,購入をご検討の際はご留意ください)。なお,同書籍は ROCK 事務局にて割り引き購入できますので,ご入り用の際は受講申し込みの際に事務局までお問い合わせください。 [2009-02-21 更新]

24日間 (4/23~12/10,いずれも木曜日 18:45-20:15) で,フィンランド語の最重要語彙と入門~初級レベルの文法の習得をめざします。具体的な場面を想定した口頭練習 ((1) 文型練習 (2) 対話練習 (3) スキットによるパフォーマンス) を通じて,「使える」フィンランド語を学習します。現在のところ予定している場面は以下の通りです。

  • Rock_mapmini自己紹介する
  • 質問する
  • 計画する
  • 予定を聞く/伝える
  • 食事をする
  • 買い物をする
  • 依頼する・誘う・許可を求める
  • 感覚/感情を表現する
  • 状況を説明する
  • 賛同する/しない
  • 不満を述べる・謝る
  • 嘆く・励ます
  • 意見を述べる

特に重点を置く予定なのが単語の習得です。フィンランド語は英語や日本語から類推できる語彙が少なく,初級学習者にとって大きな壁になります。そこで,本講座では毎回新しい単語 (予習分20単語 + その場で導入する20単語) を導入し,それらを実践的に使いながらフィンランド語のさまざまな表現に親しんでいきます。本講座では最終的に 800単語をマスターすることをめざしています。単語やフレーズを覚える練習を楽しみながら積極的におこなっていただきながら,週一回の授業で最大限の効果が得られるようすすめたいと思います。

ROCK は常磐線各駅停車南柏駅より徒歩15分,バスで5分程度です。[ 交通案内 ] 都心からは結構かかりますので,東京からいらっしゃる場合はしんどいかと思いますが,値段的にはかなりオトクかと (24回で 32,200円はちょっとない価格... )。お近くにお住まいの方でご関心のある方,ヨーロッパの多くの言語とは異なる特徴をもつ (日本語に似てる,かな?... かな?たぶん) フィンランド語を体験してみてはいかがでしょうか。なお,ROCKの2009年の前期講座では,フィンランド語と同じウラル語族の言語である ハンガリー語の入門 (野瀬昌彦先生) も開講されます。

| | コメント (13) | トラックバック (0)

猫の言葉社

3代の『フィンランド語は猫の言葉』,一番右が猫の言葉社によるもの 以前『フィンランド語は猫の言葉』が復刊された,という話を書きました。著者の稲垣さんの英断で,自ら出版社「猫の言葉社」を立ち上げての出版です (写真の一番右が猫の言葉社刊)。先日,稲垣さんご本人に出版社立ち上げの経緯を伺う機会がありました。

猫の言葉社が発売した2008年10月に出した2番目の本が,フィンランドの著名な絵本作家 フィンランド語のページ マウリ・クンナス氏 [英語ページ] の『わすれられないクリスマス』 (稲垣さん訳) です。猫の言葉社の『フィンランド語は猫の言葉』のイラストもクンナス氏によるものです。ちょっと時季外れですが,ご紹介します。

『わすれられないクリスマス』はオリジナルの出版元との契約の関係で,わざわざフィンランドで印刷しているのだそうで,その辺りの事情もマウリ・クンナス氏の絵本のいくつかが入手困難になっている理由のようです。 [マウリ・クンナスの本 by amazon.co.jp] でも,そう考えるとクリスマスプレゼントとしてはちょっとしゃれてる,といえるかも (時季外れですみません...)。

それにしても,最近のフィンランド関係の本の出版,多いです。[2008年1月以降出版された,「フィンランド」をキーワードに含む書籍 by amazon.co.jp ← 2009年2月時点で34冊もあります] このちょっとした出版ラッシュ,いつまで続くのでしょう。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

The Sibelius Edition Vol. 6

Sibelius Edition Vol. 6 スウェーデンの BIS レーベルといえば,ネーメ・ヤルヴィ&ヨーテボリ響にはじまる,フィンランドの国民作曲家ジャン・シベリウス [Wikipedia] の全曲録音シリーズ (1979- ) で有名です。その BIS が,シベリウス音楽アーカイブの決定版とも言える The Sibelius Edition の刊行を始めたのがシベリウスの没後50周年にあたる2007年 (シリーズ刊行の経緯については BISの解説 が詳しいです),その Edition に,ついに日本人演奏家による録音が加わりました!

第6巻:ヴァイオリンとピアノ がそれ。5枚組CDからなる第6巻の白眉とも言える,「ヴァイオリン協奏曲」のピアノ伴奏版 (オリジナル版!と最終版) を演奏するのは日本が誇るシベリウス演奏家である 佐藤まどかさん です。佐藤さんの演奏はこの他にも,シベリウスの手稿や異稿 (協奏曲の複数のスケッチを含む) の世界初録音と「田園風舞曲集」作品106 が入っています。フィンランド人演奏家にも手に負えなさそうな作品に取り組んだ成果は,まさにシベリウス研究で博士号を取得された佐藤さんの面目躍如といったところ。シベリウスのヴァイオリン作品にある室内楽的な響きは交響曲にはない魅力。シベリウスが気になる方に是非おすすめします。

先日,やっとこの CD を手に入れました。写真にあるように,Edition 第6巻はCD5枚組。詳細な作品解説ブックレットとシベリウスの伝記 (ごく短いものですが) がついていますが,どちらも英語,フィンランド語,ドイツ語,フランス語,そして日本語 で書かれているのです (スウェーデン語はなし)。びっくりの大サービスではありませんか!

佐藤まどかさんは,この録音の他にも,国内盤として「シベリウス ヴァイオリン作品集 Vol.1 子守唄」 を出していらっしゃいます。ピアノ伴奏は渡邉規久雄さん。私も大好きな「4つの小品」 (作品78, 1915年作曲) から連続して発表された4作品がまとめて収録されており,こちらもおすすめします。ちなみに「子守歌」は「6つの小品」(作品79) の終曲。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年春のフィンランド語講座「フィンランド語講読(初級)」 開講します

おしらせがちょっと遅くなりましたが,麗澤オープンカレッジ (ROCK, 千葉県柏市) にて,2009年の2月~3月に 短期集中講座「フィンランド語講読(初級):フィンランド語でフィンランドを読み解こう」 を開講します。

全日程が終了しました!8人の方が修了です。皆さん,お疲れさまでした。 [2009-03-21 更新]

4日間 (2/7, 2/21, 3/7, 3/21,いずれも土曜日),計8コマ (12時間) で平易なフィンランド語テキストを読み解きながら,語彙と文法の基礎固めを行います。フィンランド語が全く初めて,という方にはきついかと思いますが,フィンランド語を何らかの形で勉強したことがある初級の学習者むけの内容を準備しています。内容はフィンランドの社会,歴史,文化などをフィンランド語で読む,というもので,テキストを読み解くための語彙集を事前に用意する予定です (そのほかに辞書も使用します)。

ROCK は常磐線各駅停車南柏駅より徒歩15分,バスで5分程度です。[ 交通案内 ] 都心からは結構かかりますので,東京からいらっしゃる場合はしんどいかと思いますが,値段的にはかなりオトクかと (10,600円)。

ROCKでは,2009年度には通年の語学講座「コミュニケーションのためのフィンランド語」ほかを開講する予定です。お近くにお住まいの方でご関心のある方,ヨーロッパの多くの言語とは異なる特徴をもつ (日本語に似てる,かな?... かな?たぶん) フィンランド語を体験してみてはいかがでしょうか。なお,同じく2009年度にはフィンランド語の (ほんのちょっと遠い) 親戚にあたるハンガリー語 (ウラル語族フィン・ウゴル語派) の講座もお目見えの予定だそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

HSホームページ更新

Helsingin Sanomat 新デザイン 12月13日にフィンランド最大の発行部数を誇る日刊紙 フィンランド語のページ Helsingin Sanomat のWeb版のデザインが新しくなりました [ページデザイン刷新のお知らせ]。ニュースカテゴリが横並びになったのが新しいですね。お気に入りの連載漫画 Viivi ja Wagner のリンクは 娯楽 (Viihde) のカテゴリに移動しています。←これは見つけにくいかも bearing ←以前と同様トップページにもリンクができました。

私個人として特に嬉しいのは,文化 (Kulttuuri) カテゴリでCDや書籍,コンサートや映画などの批評記事 (Arviot, Kulttuuri ページの下方にあります) を無料で読めるようになったことでしょうか。HS の批評はかなり本格的 (かつ個性的) で,以前講読していた時には毎日読むのが楽しみでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『フィンランド語は猫の言葉』が復刊

忙しくなってしまい,更新が滞りがち。もう5月です。

さて,1981年に 文化出版局 から初版が出,その後1995年に 講談社文庫 として再発売されるも品切れとなり,長く入手困難だった稲垣美晴さんの名著『フィンランド語は猫の言葉』が,復刊を希望する人の声に応え,猫の言葉社 (!) から再発売されています (復刊ドットコムの 復刊リクエスト投票のページ)。日本フィンランド協会ホームページ の新刊紹介で紹介されているチラシ画像は こちら。マウリ・クンナス氏 (稲垣さんの翻訳により『サンタクロースと小人たち』 などの作品が日本でも広く読まれているフィンランドの絵本作家) によるオリジナルの表紙イラストにちなんだストラップやブックマークも販売されているようです。書籍ともども,復刊ドットコムのページ からどうぞ。


| | コメント (1) | トラックバック (1)

2008年度通年講座「フィンランド語初級」始まりました

麗澤オープンカレッジ (ROCK, 千葉県柏市) にて,2008年度の通年講座「フィンランド語初級」 が始まりました (木曜夜開講,全20回)。新しい3名を加え,9名の方が受講されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

咲きました...

2008年の大寒桜 3月24日の写真。仕事場の図書館脇にはきれいなオオカンザクラ (大寒桜) があり,カワヅザクラ (河津桜) [Wikipedia] ほど早いわけではありませんが,毎年3月中旬ごろには花をつけ始める,少し赤みがかった美しい桜です。今年もソメイヨシノより一足早く見頃を迎えていたのですが (雨だったのと,夕方に撮ったのとで,ちょっと画面が暗いのはご容赦を),デジタルカメラを某所に忘れてきてしまい,アップしないうちにいつのまにか都内の桜がほぼ満開,とのニュースが報じられてしまいました。

2008年の大寒桜アップ 日本の桜開花のニュースは,なぜか 3月22日の Ylen Selkouutiset (フィンランドの放送局 YLE の外国人むけニュース [RSS]) にも紹介されていました (記事を聴く(mp3))。日本では桜が咲くと春が来たということになっているが,東京には今年は6日早く春が来た,というニュースの後に,こちらフィンランドでは雪が降っています,とな。ああ,そういう関連ですか...

| | コメント (0) | トラックバック (0)

韓国語訳フィンランド語文法

フィンランド語文法韓国語訳 先月韓国に行ってきて,驚いたことがいくつかあります。その一つが,「フィンランド語」に関する韓国語で書かれた本がないこと。Kyobo (これ韓国語ではなんて読むんでしょう) というソウルにある大きな書店で調べてもらったところ,現在販売されているものはありません,と言われてしまいました。フィンランド語,で探すとたくさんの本が出てくる日本とは,かなり様子が違うようです。不思議!

そんな時,韓国で参加したある学会でお会いしたアルタイ語学の宋基中先生 (ソウル大学) が,「今,Karlsson の文法を韓国語に訳していて,もうすぐ出ますよ」と教えてくださいました。ヘルシンキ大学 Fred Karlsson 先生の Finnish: An Essential Grammar (Routledge) は,現在刊行されている英語で読めるフィンランド語の文法書の中でも非常に優れたもので,コンパクトで明快,正確で包括的,フィンランド語の中級以上の学習者にはぜひ手にとっていただきたい本です。日本語訳したいなあ,なんて思っていましたら,韓国語に先を越されてしまいました (ちなみに,中国語版は上記文法の前身にあたるバージョン Finnish Grammar の翻訳がヘルシンキ大学出版局 Yliopistopaino から1994年に出ています)。

出張から1ヶ月経った先日,韓国語版のフィンランド語文法『핀란드어필수문법 (フィンランド必須文法)』を訳者の宋基中先生が送ってくださいました。これが現在のところ唯一の韓国語によるフィンランド語の本,というわけです (韓国の書籍検索サイトで 핀란드어 を探してみても,これ一冊しかありません)。宋先生,ありがとうございます!

フィンランド語独特の文法用語の訳には色々苦労されたそうです。例えば,フィンランド語独特の場所格をどのように訳されているか,というと,以下のようになります:

 内部格 (inner local cases)外部格 (outer local cases)
静止点「~で」inessive (-ssa/-ssä)在内格adessive (-lla/-llä)在上格
起点「~から」elative (-sta/-stä)向外格ablative (-lta/-ltä)奪格
着点「~へ」illaive (-Vn/-hVn/-seen)向内格allative (-lle)向格

確かに苦労のあとが忍ばれます。「A+B+格」という内部格の名前のつけ方は面白いですね。この形式を6つの格全てに適用して整理してみたらどうなるかな,とやってみると:

 内部格 (inner local cases)外部格 (outer local cases)
静止点「~で」inessive内在格adessive所在格
起点「~から」elative内出格ablative所出格
着点「~へ」illaive内向格allative所向格

うーん,アイディアはいいと思ったんですが,これじゃ目がチカチカしてかえって混乱しちゃうかも。残念。

日本語で書かれたフィンランド語の文法書で困るのが,場所格の訳がまちまちなところです。以下にみるように,adessive には「接格」「所格」,ablative には「奪格」「離格」という訳が存在します (私の『ゼロから話せるフィンランド語』では,前者の「接格」「奪格」を使っています)。

 内部格 (inner local cases)外部格 (outer local cases)
静止点「~で」inessive内格adessive接格~所格
起点「~から」elative出格ablative奪格~離格
着点「~へ」illaive入格allative向格

このような訳による混乱を避けて,格のフィンランド語名をそのままカタカナ表記して使っている書籍さえあります (例えば,inessive はフィンランド語 inessiivi をそのまま使い,「イネッシーヴィ」と言うわけです)。

そんな中,佐久間淳一先生の『フィンランド語のすすめ 初級編』 [サポートページ] では,以下のようなかなりすっきりとした解決策が提案されています。

 内部格 (inner local cases)外部格 (outer local cases)
静止点「~で」inessive{中で}格adessive{所で}格
起点「~から」elative{中から}格ablative{所から}格
着点「~へ」illaive{中へ}格allative{所へ}格

内部格と外部格,また3つの方向に関する格が区別でき,また対応関係もすっきり理解できます。先ほどやってみた「A+B+格」形式の精神も感じられる,すぐれた命名だと思います。これから勉強,という方にはおすすめです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「フィンランド語初級文法」終了しました

ROCK ホームページへ麗澤オープンカレッジ (ROCK, 千葉県柏市) にて,2008年の2月~3月に 短期集中講座「フィンランド語初級文法」 を実施しました。6人の方が受講され,フィンランド語の基本的な文法事項の復習を集中的におこないました。全4日,1日3コマ連続というハードスケジュールでしたが,参加された皆さんは全員ばっちり修了されました。皆さん,お疲れさまでした!文法中心とした盛りだくさんの内容でしたが,最後は目標だった話し言葉の特徴が入った歌の歌詞を読み解くところまで進めることができ,ほっとしています。

4月からは通年の講座「フィンランド語初級」 が始まります。最小開講人数は確保できたそうで,現在引き続き二次募集をおこなっています。ご関心のある方はどうぞご参加ください。詳細はこちらから

| | コメント (0) | トラックバック (0)

安価な英語⇔フィンランド語辞書

Langenscheidt Universal Dictionary Finnish 以前報告した,ドイツの出版社 Langenscheidt の新しいフィン英-英フィン辞書 Universal Dictionary Finnish がやっと届きました。

ドイツの出版社のためか,在庫を見つけるのが結構難しいかもしれません。そこで同じ頃に出版された Berlitz Finnish Dictionary (フィン英-英フィン, Berlitz Pocket Dictionaries シリーズ) を見てみたところ,内容が完全に上記辞書と同じでした!後者のほうが在庫がある場合が多いようで,また場合によっては価格も安い場合があるようです。参考まで。

フィンランドでも出されているポケット辞書ですが,この辞書はそれよりもさらに小さい縦11センチ弱,横8センチ弱で,ワイシャツのポケットに軽々収まる大きさです (写真 では大きさの比較用に USB メモリを置いてみました)。それにもかかわらず,文字は,例えば (読みにくいポケット辞書として有名な...) Rekiaro & Robinson の英フィン辞典 (Gummerus) よりも大きく,サイズの割に読みやすいように感じます。見出し語が青ゴシックで区別されているのも嬉しいところ。

というのも,この辞書は,記述をできる限り抑えて,基本的に見出し語と発音,訳だけにしているからです。用例はほとんど挙げられていません。従って,分からなければさらに調べる必要がありますので,この辞書があればOK,というわけにはいかないかもしれませんが,この値段で手軽に手に入る辞書が出たというのはよいニュースかと思います。

見出し語数は 16,000, これは英フィン,フィン英の両方を合わせた数のようですので,収録語数は決して多くありません。ページ数は400ページほど。著者には Langenscheidt Editorial Staff 編,と書いてあります。ちょっと調査が必要ですが,これまでフィンランド以外の出版社が出していたポケット辞書のような,フィンランドの古い辞書を安い版権で買い取って出版,というものとは異なり,新たに編纂したもののようです。

ちなみに,フィンランド語英語の部には見出し語毎に発音が書いてあるのですが,これは外国人むけです。例えば kiitos 「ありがとう」の発音は [kee-toass] と書いてあります (イタリックは「強め (ストレス)」の位置を表します)。pyörremyrsky 「ハリケーン,台風」に至っては [pewur-raym-mewrs-kew] ... いやはや。日本人は母音と子音の長さの区別ができるので,書いてある通り読むことができますから発音情報は必要ありません。あ~あ,こんなにスペースを使っちゃって despair というむきもありましょうが,ここからフィンランド語を書くときのハイフネーションを確認することができるので,記しておくことにします。例えば,pyörremyrsky のような長い単語が行の最後に来てしまった場合,一体どこで単語を切ったらよいのでしょうか?切り方はそれぞれの言語の正書法 (oikeinkirjoitus) によって決まっているのですが,この辞書の発音表記はフィンランド語の音節の切れ目をハイフンで示しており,この切れ目がハイフネーションの位置を同じなのです。pyörremyrsky の場合は pyör-re-myrs-ky のいずれかの位置でハイフネーションすることになります。英語の辞書と比べると,フィンランド語の切り方はちょっと違っているな,ということが分かると思いますが,いかがでしょうか。 (ワープロがフィンランド語のハイフネーション規則を知っていれば,行末の処理を自動的にやってくれるわけです。通常は英語くらいしかできず,フィンランド語は最悪の場合,間違った切り方をされてしまいます。以前紹介した Office Multi-language Pack や Office Proofing Tools はこのような情報を提供する追加パッケージです。)

辞書は,英フィン・フィン英の辞書部分 (合わせて382ページ) に加え,基本的な会話 (5ページ),フィン・英それぞれの略語の紹介 (合わせて7ページ),英語の不規則変化動詞のリスト (フィンランド人用でしょう,4ページ),数詞・時間・単位の説明 (英・フィン合わせて5ページ),といった内容からなっています。

発音について補足:実際に書かれている pyörremyrsky (pyörre 「渦巻き」 + myrsky 「嵐」) の発音表記は [pewurr-raym-mewrs-kew] と r が一個多くかかれており,間違いです。また,pyörre の re の発音のところに raym と m が入っているのは,フィンランド語の -e で終わる単語の語末に出る音を示すものだと思います (この音は alkukahdennus 「(後ろの単語の)語頭子音が2重になる現象」とよばれ,フィンランド語の正書法にいくつかある文字表記されない音の一つです。フィンランド語の文法書ではアポストロフ ' や声門閉鎖音 (= 声門破裂音 [Wikipedia]) の発音記号を模した疑問符 ? を使って表記されます。なお,この辞書では,e で終わる見出し語自体にはこの記述はなく,この例のように他の単語が続く複合語のみ,その後の子音を重複して書いているようです)。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

「世界遺産DVDコレクション」にラウマ

もう書店などで見かけた方もいらっしゃると思いますが,「(隔)週刊~」でおなじみのデアゴスティーニが出している「世界遺産DVDコレクション」 (隔週刊行) の86号 (2008年1月8日発売) に「ラウマの旧市街」が収録されていました。ドイツの放送局 SWR (Südwestrundfunk) とドイツの制作会社 Telepool が作成したシリーズ Treasures of the World - Heritage of Mankind の日本語版で,ラウマの映像は DVD に約10分入っています (解説は日本語のみ)。

ラウマ はフィンランドの南西部に位置する人口3万7千人ほどの小都市で,その旧市街 (Vanha Rauma, 英 Old Rauma) [ユネスコの紹介ページ] は 1991年にユネスコの文化遺産に登録されました。上記 DVD に付属する解説本にはラウマの「古地図をもとに再現された木造建築の町並み」の説明に加え,伝統工芸の糸巻き (ボビン) を使ったレース編み (フィンランド語 pitsinnypläys = pitsi「レース」の属格 + nypläys < nyplätä 「編む」 [Wikipediaの解説] , ちなみに「糸巻き」は nypylä) が紹介されています (4ページとちょっと薄めですが)。同シリーズは90号で終了,ということで,何とか滑り込みです (同シリーズのホームページは2008年7月末日に終了とのこと)。

フィンランドのその他の世界遺産である「スオメンリンナの要塞群」[ユネスコの紹介ページ] 「ペタヤヴェシの古い教会」[ユネスコの紹介ページ] 「ヴェルラの砕木・板紙工場」[ユネスコの紹介ページ] は残念ながらこのシリーズには収録されませんでした。ちなみに同号に収録されているのはスウェーデンの ハンザ都市ヴィスビュー Visby とノルウェーの ウルネス Urnes にある12世紀に建てられた木造教会 (いずれも文化遺産) です。

ラウマの有名な町並み,実は私まだ直に見たことがありません (一度足を伸ばそうとしたら,急な予定が入ってしまったりして...)。ラウマは方言も結構有名です (英語版 Wikipedia のページ)。南西方言に属するので,語末の音が消失しているほか,語彙や (私は直接聞いたことがないのですが) イントネーションにも独特なものがあるとか。地元の言葉では rauman giäl (標準フィンランド語で 'rauman kieli' 「ラウマ語」) と言うそうです。町の新聞 フィンランド語のページ Uusi Rauma の電子版を見ると,フィンランド語のページ 通常のニュース の他に フィンランド語のページ ラウマ方言版ニュース が時々更新されています。うーん,眺めてみるだけでも結構楽しいくらい,全然分かりません... (記事は LUE 「読め」とあるところをクリックすると開きます。)

ラウマと聞いて思い出すのが,フィンランドの教育省が主催しているフィンランド語の夏期講習 です。以前はラウマで初級クラスが開かれていました。現在はフィンランド東部のサヴォンリンナ Savonlinna になっています (なんと夏の オペラフェスティバル の真っ最中に開催されるのです!)。2008年の募集は既に3月1日で終了してしまっているので,興味のある方は準備をして2009年夏に挑戦してみてはいかがでしょうか。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

フィンランドの苗字の数?

以前,「ゼロから話せるフィンランド語のページ」 に高校生の方から以下のような質問が送られてきました (コメントがついた記事はこちら):ヨーロッパでの苗字数5万のうち,フィンランドが3万もあるのはなぜ?

その後,時間がないこともあり,あまり深く調べることができずにいますが,はたしてこの話の出所はどこなのでしょうか?もしかして一般にもよく知られている話なのかもしれません。もし,ご存じの方がいらっしゃったら,ぜひ出典を教えてください。

とりあえず,質問には以下のように答えてみました ;-) (原文に少しだけ加筆訂正をしてあります。)

「ヨーロッパの苗字数が5万,フィンランド3万,という数の出典が分からないのですが,手元のフィンランド語の苗字辞典 (Mikkonen, Pirjo & Sirkka Paikkala (1992) Sukunimet. 『苗字辞典』 第2版. Helsinki: Otava) を見てみました。この本の見出し語数は5,060,綴りが異なる苗字の対応が分かるように作られている索引の総数は12,270でした (同書9ページ)。

戸籍として登録されている苗字の数になると,ぐっと増えます。些末なものが含まれるからで,戸籍登録されている苗字の数は少なくとも79,000ある,と上掲書にあります。(なお,上記書籍の索引にある12,000あまりの苗字でフィンランド語の苗字をもっている人の90%位を網羅できるということです。)

フィンランド語の苗字の数の多さの要因はいろいろあると思いますが,綴りがちょっとずつ違う名前があること,同じ語根からいろいろな語尾をくっつけて苗字が作られること,結婚で苗字をくっつけて新しい苗字を作る例があること,などが挙げられる,と思います。フィンランド人の苗字の記録は14世紀頃からあるらしいのですが,とびきり古いわけではありません。

たとえば,kallio「岩」が入っている苗字は:Kallio「『岩』さん」, Kallioinen「『岩乃』さん」, Kalliola「『岩場』さん」, Kalliojärvi「『岩湖』さん」, Kalliokoski「『岩滝』さん」, Kalliomaa「『岩地』さん」, Kalliomäki「『岩丘』さん」, Kallioniemi「『岩岬』さん」, Kallionpää「『岩頭』さん」, Kalliosaari「『岩島』さん」, Kalliosalo「『岩林』さん」と少なくとも11あり(このあたり,日本語の苗字とも似ているのではないかな,と思えます),さらに Kallio-Räisänen のように,他の苗字と組み合わせられてできている例を考えるともっと増えます。」

フィンランド語の苗字の数を上のどの見方で集計するか,ということ,また,同様にヨーロッパの他の国の苗字の数をどのような根拠でいくつと見積もるか,ということなど,単純に「ヨーロッパ5万のうち,フィンランドが3万」というだけでは厳密ではないことがわかります。この話,数が一人歩きしている,いわばフィンランドに関する「都市伝説」かも,とも思えます。どうなんでしょう...

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Office 2007 Multi-Language Pack 入手しました

校正ツールは CD-ROM に 既に紹介した Office 2007 用の多言語パッケージ「マルチランゲージパック」 [Amazon.co.jp の商品ページ, 英語版も入手可] を入手しました。日本語版製品の一般向け発売はこのバージョン (Office 2007) が初めてです。各言語版のユーザーインターフェイス (合計37言語) が DVD 2枚組に,文章校正ツール (Proofing Tools, 合計49言語) が CD-ROM 1枚に収録されていました。

Office 2007 用のフィンランド語の文章校正ツールに関しては,以前のバージョンの Office 同様,完成度の高い Lingsoft 社のフィンランド語校正ツール が元になっています。いまのところ精度が特に向上したようには感じませんが,その意味では安定しているので,安心して使えると思います。

ユーザーインターフェイス言語の切り替え画面フィンランド語校正ツールの導入:

インストール途中 校正画面サンプル

フィンランド語ユーザーインターフェイスの導入:

インストール途中 英語インターフェイス フィンランド語インターフェイス

「マルチランゲージパック」の使用条件として「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」が付属しています (インストール時に閲覧できるほか,Retail Software License Terms のページ からソフト名 (Office Language Pack → 2007) を指定して各言語版のライセンスを閲覧可能です。ライセンス条項は,ソフトやバージョンによって異なるので注意してください)。Office 2007 本体と同様,マルチランゲージパックは1台のコンピュータにインストールできるほか,1名が利用する際にはノートパソコン1台に追加インストールできます:

「携帯用デバイス。ライセンスを取得したデバイスを使用する方が特定の 1 名に限られている場合、お客様は、本ソフトウェアの複製をさらに 1 部作成して 1 台の携帯用デバイス上にインストールすることができます。」 (条項 2b)

感想としては,多言語環境がますます一般的になってきているのは嬉しいのですが,やはり校正ツールだけほしい,というユーザにはこのパッケージはちょっと高いよな,という感じです。製品に封入されている 校正ツールのセット (Proofing Tools) と各言語のインターフェースとが別のディスクになっているわけですから,わざわざ抱き合わせで販売しなくてもよいような ;-( 考えてみれば,かつて Word 2000 の時代には,フィンランドに行って数万円を出してフィンランド語専用の校正ツール (上記 Lingsoft 社製) を購入してきていたわけですから,多言語編集環境もずいぶん身近になってきたわけなのですが...

| | コメント (0) | トラックバック (1)

DVD,開けてびっくり

DVD を開けると... あるオンライン書店で2,000円台で入手できるフィンランド語のDVD教材を発見したので,注文してみました。ケースには「フィンランド語」としっかり書いてあるその製品を開けてみると,中にはちょっと見慣れない文字が... ん,これってギリシャ語じゃん!?

国旗が白と水色だから間違って入っていた,というわけではないですよね????パッケージの写真はしっかりヘルシンキの Tuomiokirkko [Wikipedia] だし... 販売元に連絡してみることにして,とりあえず記念撮影しときます♪

その後,無事に交換してもらったソフトはこんな感じでした:

「Talk More テレビで覚えるフィンランド語」が届きました

| | コメント (1) | トラックバック (0)

フィンランドのプチプチはゴワゴワ

フィンランド製「プチプチ」 誰でも思わず時間を忘れてつぶしたことがあるであろう気泡型の緩衝材「プチプチ」,先日フィンランドから届いたCDが,グレーのプチプチのようなシートで包装されていました。つぶしながら無心になれるというイメージのプチプチですが,フィンランドのそれはなかなか分厚く頑丈で,残念ながら押してもなかなかつぶれません。最近 ムゲン(∞)プチプチ (Amazon.co.jp でも) なる疑似体験おもちゃが話題になりましたが,もしかして,この感覚はフィンランド人には通じないのかもしれません。

「プチプチ」は川上産業さんという名古屋にある企業が1994年に取得した登録商標なのだそうです。もともとは1960年代ころにアメリカで考案されたものを独自の製造法で洗練させたものとか (プチプチの歴史を参照)。「約1万個に1個の割合でハート型の粒が含まれている」というのは確からしいのですが (渡部喜正さんの 確認例),これって川上産業製のプチプチ製品全部がそうなんでしょうか。面白いですね。

そうそう,このブログにも,数週間前から blogPitatto さん提供のプチプチツールを貼りつけています。皆さん試してごらんになりましたか?それっぽい音 (いろいろあります。根気よく試してみてください!) も出るし,つぶした個数をカウントしてくれてます。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年春の講座「フィンランド語初級文法」 開講してます

麗澤オープンカレッジ (ROCK, 千葉県柏市) にて,2008年の2月~3月に 短期集中講座「フィンランド語初級文法」 を企画したところ,6人の方が申し込んでくださり,開講が叶いました。現在は半分 (2日目まで) が終わったところです。フィンランド語の基本的な文法事項の復習を集中的におこなうことができるというのはなかなかないと思います。まあ,午前から夕方まで3コマ文法をやるのは結構大変なのですが。もっとも,私としては,練習問題作りの一環として取り組めるのが嬉しいところです。

ROCK は常磐線各駅停車南柏駅より徒歩15分,バスで5分程度です。都心からは結構かかりますので,東京の方にはしんどいかと思いますが,値段的にはかなりオトクかと... [ 交通案内 ] 2008年度にも通年の講座 「フィンランド語初級」 ほかが開講予定です。お近くにお住まいの方でご関心のある方,ヨーロッパの多くの言語とは異なる特徴をもつ (日本語に似てる,かな?かな?) フィンランド語を体験してみてはいかがでしょうか。(2007-12-17 公開,2008-03-01 更新)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

安いフィンランド語辞書が欲しいなぁ

...と思っても,なかなか見つかりませんよね。フィンランドに行った時に書店で値下げしている辞書を買うとか... フィンランド語の授業では,受講料を払ったうえに辞書まで買ってもらわなければならないのがいつも心苦しいところです。

そんな時にもしかしたら朗報かもしれないのが,ドイツの出版社 Langenscheidt から出(てい)る Universal Dictionary Finnish というポケット英フィン・フィン英辞書です。2008年2月発売らしいこの辞書,出版社のホームページ によれば10cm × 7cm というミニサイズで416ページ,見出し語16,000語以上ということです。Amazon.co.jp で現在のところ1,000円前後で購入できるじゃないですか。こりゃ破格の安さかも。

フィンランド以外の国で辞書を出版する際,フィンランドで出版されていた古い辞書の版権を買ってコピーを新しい本として出しちゃう,というパターンがよくあります (開けてみたら,同じ本じゃん!という)。まだ予約注文の段階なので,現物を見ないと分かりませんが,期待したいと思います (入手しましたら,報告します。あまりよくない辞書だったら,ごめんなさい)。

なお,ちょっと古くなりつつありますが,フィンランド語の辞書リスト を別サイトで公開しています。ご参考まで。


| | コメント (2) | トラックバック (1)

「リカちゃん」フィンランドをゆく

知り合いに教えてもらったのですが,タカラトミーによる国産着せ替え人形「リカちゃん」が世界中を旅する リカ旅ブログ Licca World Tour の2007年12月の訪問先がフィンランドなんだそうです。リカちゃんが入った写真や Map,記事も毎回凝っていて,なかなか楽しい旅行記になっています。前の訪問地のロンドンからフィンランドに到着した翌日は,偶然にも独立90周年のお祝いの日 (ブログにも短い紹介があります)。現在はヘルシンキを離れ,はるばるロヴァニエミに来ているようです。クリスマスの様子も紹介されるでしょうね。それにしても,多くのフィンランド人はクリスマスを家族で祝うので,果たしてどうなるのかな,なんて余計な心配をしたりして。

リカちゃん の公式ホームページからは,フィンランド語で書かれた12月のカレンダー (PDF形式) もダウンロードできます。「この国のあいさつをおぼえよう!」 のコーナーにもフィンランド語が。余談ですが,Wikipedia によれば,リカちゃんが発売されて今年で40年になるんですね... びっくり!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

夏のスポーツといえば...

夏だけではありませんけどね 暑い日が続きますが、皆さんいかがお過ごしですか?久しぶりのフィンランドネタです。

2007年はノルディックウォーキング (ストックウォーキング) が正式に始まってから10年なのだそうです。ヘルシンキの中心部より北よりにある Paloheinä [パロヘイナ]で8月26日に10周年記念のウォーキングイベントがありました。 [フィンランド語のページ Helsingin Sanomat の記事 ← 普及に携わった フィンランド語のページ Suomen Latu ry. (フィンランド野外トレーニング協会,かな) 会長のインタビュー (MP3) も聞けます]

昨年フィンランド語の講座に通っていた方に「日本でもノルディックウォーキングのイベントがあるんですよ」と教えられてびっくりしたのですが,日本ノルディックフィットネス協会 によれば,現在では世界30カ国以上,愛好者は600万人にも達するのだそうです。 [紹介記事] 日本ノルディックフィットネス協会のイベント情報のページによれば,2007年9月9日(日)9:45〜11:45,代々木公園中央広場で「Feel Nordicwalking! 代々木公園(6)」という紹介イベントがあるとか [イベント詳細はこちら]。(6) ということは,もう6回目!?興味ある方は参加してみてはいかがでしょうか?

「ノルディックウォーキング」のフィンランド語は sauvakävely [サウヴァカヴェリュ] (sauva「ストック」 + kävely「ウォーキング」の複合語)です (英語の名称 nordic walkingInternational Nordic Walking Association という国際団体もあり,既に定着しているようです)。日本では「ノルディックウォーキング」のほかに「ストックウォーキング」の名前も使われているようです。ノルディックウォーキングの振興団体にも,上述の 日本ノルディックフィットネス協会 のほかに 日本ストックウォーキング協会 がありますね。

以下,雑談。日本ストックウォーキング協会のホームページには詳細な『ストックウォークガイドブック』が公開されているのですが,不思議なことに,このガイドブックには「フィンランド」という単語は出てきません。「ストックウォーキングの歴史」には,1986年に日本人の発明家がストックを開発し,普及をおこなった,と書かれています。むむむ,もしかして違うスポーツなのか,それとも日本とフィンランドで別々に開発されてきたということか...?日本ストックウォーキング協会のホームページの説明には「フィンランド語でサーバ・カベヴュー(Sauvakavely)、直訳するとストックウォーキングはノルディックウォーキングとも呼ばれ、言葉のとおりストックを使って歩く運動のことを言います」とあるので,なかなか興味深いものがあります... (参考までに,フィンランド語のページ Wikipedia のノルディックウォーキングの項 には専門家による雑誌記事が引用されており,ストック開発やスポーツの経緯を詳細に読むことができます。)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

フィンランド語が書いてあるトート

フィンランド語の書かれたトートバッグ 時々町には出てみるもんです。文房具屋さんを物色していたら,目の前にフィンランド語が。Hyvää huomenta! おはよう!ちなみに。反対側には Näkemiin! 「じゃあね!」と書いてあります。まあ,何というか,さわやかな印象のバッグです。色もいいですね。しっかりとした青に白地の文字が映えます。

バッグは作りもなかなかです。さまざまなトートバッグを製作している Super Planning という会社の ROOTOTE というシリーズの TALL という製品だそうです (カタログ で確認できます。また,フィンランド語のトートはこの他に Kyllä 「はい」 Ei 「いいえ」というバージョンもあるようです)。

大きさは縦横とも 350mm といったところ。内側には小さい3つのポケット,そして外側に凝った「ルーポケット」 (製作元によれば,ルートートにはすべて、サイドにカンガルーのおなかのようなポケット (ルーポケット) が付いています) が仕込んであり,なかなか使いやすそう。 [ルートートとは (Super Planning)]

しかし,なぜフィンランド語なのか... プリントされているいずれの挨拶にもウムラウトが入っていて印象的だから,かな。他にあるのはフランス語くらいなので,ますます気になります。あんまり気になったので,結局私も購入してしまいました ;-)


| | コメント (4) | トラックバック (0)

パペットムーミン

殆どの番組が無料で見られることで最近話題になっている USEN 提供の パソコンテレビ GyaO が,ムーミン [Wikipedia] の パペット・アニメーション を放送中です。2007年3月17日から毎週土曜日に4エピソードずつ追加されおり,2007年8月31日まで視聴できます。ヤンソン自身も監修として加わっているというこのシリーズ,ポーランドの制作会社が1979年に制作したもので,26エピソード,全78話です。日本版の吹き替えには故・岸田今日子さんも参加しています。

なお,現在 Yahoo! 動画 でも 一部のエピソードが配信されています が終了日が近いようです。GyaO は Windows Media, Yahoo! 動画は Flash で配信していますが,Windows ではいずれも Internet Explorer でしか視聴できないみたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ヴィンランド」と「フィンランド」

「ヴィンランドって,フィンランドと関係あるんですかね」,と仕事でお会いした方に質問されました。幸村誠さんの漫画が好きで,最新作で現在連載中の『ヴィンランド・サガ』に期待している,ということでした。

宇宙のゴミ (スペース・デブリ) の回収を生業とする主人公が木製探査に向かうまでを描いた処女作『プラネテス』 [amazon.co.jp] (週刊「モーニング」に不定期連載) は私もとても好きで,何度も読み返しました。この作品で幸村さんは 現在たまにニュースになる程度でしかない 宇宙ゴミを現実的な問題として取り上げ,壮大な物語に仕立て上げてくれました。次作となる『ヴィンランド・サガ』においても,著者の緻密な表現と物語の構築力は圧倒的です。(戦いやヴァイキングの蛮行を描写した残虐なシーンが含まれるので,万人むけではないかもしれませんのでご了承ください。その意味でも「週刊少年マガジン」から読者層が少し上の「月刊アフタヌーン」に移ってよかったかも。)

残念ながら,ヴィンランド vinland は「フィンランド」とは関係ありません。『ヴィンランド・サガ』は11世紀のヨーロッパを舞台に,アイスランド出身の主人公トルフィンが父の復讐を胸に成長していく物語です。vin はぶどう (英 vine) のことで,当時まだ未知の大陸であったアメリカにあるブドウの実る豊かな地を指します (『ヴィンランド・サガ』の中でもレイフ・エリクソンという旅行家 (初めてアメリカ大陸に渡った実在のヨーロッパ人) がトルフィンにヴィンランドの様子を語る場面があります)。ヴィンランドという地がこれから主人公の運命とどう関わっていくのかはこれから。わくわくします。

フィンランド語でフィンランドを表す Suomi はその語源がはっきりしません。一方外国名であるフィンランド Finland の finn はゲルマン語起源だそうで,英語でいえば findwonder あたりと関係があり,もともと「定住せず,狩猟や採集で暮らす人」といった意味があると考えられるそうです (ちなみに「フン族」とは関係ありません)。「フィンランド」や「フィン」という名前は,古くは起源98年ごろのタキトゥス『ゲルマニア』で Fenni という未開人が紹介されているほか,ルーン文字の石碑 (rune stone) にも finlontfinlandi という名前で言及されています [ Wikipedia の Finnish people, Finland の語源の項を参照 ]。もっとも,その時点で「フィン人」と呼ばれていたのは現在のサーミ人の先祖であったろう,ということですが。

『ヴィンランド・サガ』の主人公トルフィンが実在している人をモデルにしているかどうか,という話もあるのですが,これには「ヴィンランド」にまつわるヴァイキングの伝説もあり,また後日書こうと思います。

「ヴィンランド」はある意味桃源郷。「ヴィンランド・サガ」を佐賀のキャッチコピーにしてはどうでしょう?「ヴィンランド・佐賀」。... おあとがよろしいようで。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

にっこり笑って「モイ!」

Moiフィンランド語は発音が比較的しやすい言語です。LとR (←巻き舌) が違うとか,母音の数が多いとか,まあそんなことはありますけどね。そういうわけかはわかりませんが,フィンランド語からとった固有名がひょっと出てきても気がつかないことがあります。

わが故郷,岩手県の八幡平温泉郷 (秋田にもまたがってます) には子供のころから 「プータロ村」 なるリゾートがあります。これが「プータロー」ではなく「プータロ」で,しかもフィンランド語だと気がついたのは,たぶんフィンランド語を勉強してからではなかったでしょうか...

さて,写真はゼブラの moi という新しいペン。ホームページにも書いてありますが,名前はフィンランド語からとったそうです。黒一色のジェルボールペンですが,ペン軸はキレイな6色の「北欧カラーボディー」 ;-) 文房具屋さんで気がついたらお手にとって見てください。フィンランド人にあげたら逆に喜ばれたりするかもしれませんね。フィンランドで使った国産ボールペン,今考えるとあまりいい質じゃあなかったなあ...

閑話休題。Moi! は「やあ」にあたる気さくな挨拶表現ですが,一般にはスウェーデン語の挨拶 God morgonmoromorjens などから変化したものと言われます。留学中にフィンランド学科の学生さんに「Moi!Hei! もフィンランド語ではないわ。Päivää! と言いなさい!」なんて言われたのを思い出します。そう,Hei! もよく使いますが,これもスウェーデン語起源 (< Hej!) なんですね。ただ,最近では Moi! はスウェーデン語やドイツ語,英語,オランダ語などの祖先にあたるゲルマン祖語 [Wikipedia] に遡るのでは,なんていう見解のほうが主流になっているようです。以下は Moi!の語源に関する記事へのリンクです:フィンランド語のページ Moi taas! (Taru Kolehmainen,Helsingin Sanomat. 2003年4月8日, Kieli-ikkuna)

ちなみに,今検索してみたら,「moi 70本から名入れ無料」 ((株)マエジム) というサービスがありました。機会があったら利用してみては。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

幻のムーミン作品?

Time で絶賛された漫画 Moomin ちょっと前になりますが,Tove Jansson (2006) Moomin: The Complete Tove Jansson Comic Strip. Montréal: Drawn & Quarterly. [出版社カタログ] が,Time が選ぶ2006年に英語圏で出版された本のベスト10に入りました。そもそもこのセレクションに漫画が入ること自体驚きです。先日1ヶ月近くかかって届いた本は,クロス装の大変美しいものでした。

今回刊行されたのは,イギリスの日刊紙 The London Evening News に 1953年から1958年までコマ漫画として掲載された Moomin を完全収録するシリーズの第1巻で,「ムーミンと山賊」「ムーミン一家の生活」「リヴィエラのムーミン」「ムーミンの無人島」の4本立て。既にフィンランドのスウェーデン語新聞 Ny Tid でムーミンを描いてきたヤンソンですのでキャラクターは安定しており,おなじみの面々が個性たっぷりの活躍を見せます。Times の推薦の辞もふるっていて,ムーミンシリーズがもつ静かな世界とはまた別のストーリーが空想たっぷりに展開されているのが面白い,といった趣です。確かに,ムーミンたちがフランスのリヴィエラ (避寒地) にいたりするんですからね ;-)

本には文学史家によるごく簡単なヤンソン作品の解説がついており,それによれば,連載開始後爆発的な人気を得たムーミンシリーズは,世界各地の40あまりの新聞に配信されるようになったそうです。しかし,Time によれば,掲載されたオリジナルはこれまで1度も出版されていなかった,とか。確かに今までのムーミンの漫画にはなかったストーリーのような気がしますが,Amazon の「商品の説明」 には [T]his is the first North American edition of an expressive and endearing classic. としか書かれておらず,はっきりしません (ムーミン作品に詳しい方でどなたかご存知ありませんか?)。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

Enroviisu フィンランド代表決まる

フィンランドで初の開催となるユーロビジョン (Eurovision, フィンランド語 Euroviisu) [YLEのホームページ] のフィンランド代表が,下馬評どおり Hanna Pakarinen の "Leave me alone" [歌詞] に決まりました (投票総数25万票の 44% の支持を得たそうです)。最終選考に残った3組 (Hanna Pakarinen "Leave me alone", Thunderstone "Anyone Anymore", Lovex "Face in The Mirror" - そう,3曲とも歌詞は英語なのです。フィンランド語の曲は12組中4曲だけ) の選考会のライブ映像は YLEのニュース映像 として (Real Media) 配信中です。いつまで公開されているかは分かりませんのでチェックはお早めに。

Pakarinen の "Leave me alone" の音楽とビデオYLE のユーロビジョンのページSuomen karsinta / Finaali から 視聴 できます (英語のページには音楽へのリンクがありませんのでご注意。Katso video でビデオが,Kuuntele audio で音楽が視聴できます)。

第52回ユーロビジョン (Eurovision Song Contest Helsinki 2007) は,ヘルシンキアリーナで8月10日に予選が,12日に本選が行なわれます。昨年はモンスターバンド Lordi が圧倒的な存在感でフィンランド代表としてはじめての優勝を飾りました [以前のブログ] が,さて今年はどうなるでしょう?そういえば, Lordi が4月に 初来日する (ウドー音楽事務所のページ) という話もありましたね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新しいフィンランド語入門書

フィンランド語の新しい入門書がこの2月に出ました。吉田欣吾先生の『フィンランド語のしくみ』(白水社,ISBN: 978-4-560-06773-4,¥1,600円)。白水社の新しい「言葉のしくみ」シリーズの一冊です。先日も 「まずはこれだけ」 シリーズのフィンランド語の入門書が出るなど,最近急にフィンランド語関連の学習書がにぎやかになっていますね。

『フィンランド語のしくみ』の前半には,初めてフィンランド語に触れる人に知ってほしい情報が,丁寧に並べられています。これまであまり見たことのない,フィンランド人の文字の書き方の説明まであり,これがとても面白い。また,入門書では省かれることが多いと思いますが,造語法 (「複合語」や「派生」) の説明にもページが割かれています (pp. 30-32)。造語法を理解することは語彙を増やすための重要なステップで,フィンランド語をある程度学んだ時にその重要性に気づく人も多いはず (拙著 『語学王 フィンランド語』 『ゼロから話せるフィンランド語』ではページの制限の都合で泣く泣く「派生」の説明を省きました)。

後半では,フィンランド語の文法の要点が大きく3つのポイントから整理されています。

  1. 区別のしくみ:「どんな」ものかを表現するための表現方法。
  2. 人と時間のしくみ:「誰」が「いつ」するかで変化する動詞の形。
  3. 「てにをは」のしくみ:格と所有表現。

最後には,乗り物やメニュー,店などの開店時間や本のタイトルなど,フィンランド語の表現の具体例が解説され,8センチCDに収められたフィンランド語の音声とともに,フィンランドの雰囲気を楽しめるよう工夫されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ROCKフィンランド語講座が終了

2006年度ROCK フィンランド語講座2006年4月から始まった麗澤大学の社会人向けエクステンション講座 「麗澤オープンカレッジ (ROCK)」 で,フィンランド語講座を1年おこないました (全24回)。何しろ常磐線各駅停車の南柏駅徒歩15分という立地でフィンランド語なんていうマイナーな言語に関心がある人など来るのかしら,と半ばあきらめていたのですが,果たして10名あまりの方が最後までお付き合いくださいました。

語学の教員としては何とも経験の浅い私,「語彙が覚えられない」「練習問題がもっとほしい」など,いろいろなコメントもいただきました。熱心な生徒さんには,私の本にあった間違いまで指摘してもらったり (わはは)。来年度もうまくいけば開講されますので,その時にはもう少しコミュニケーション練習重視で,といきたいところです。(来年度の講座に関するお知らせは,後日 ROCK ホームページ などに掲載される予定です。最新情報をお知らせする メールマガジン のサービスもあるそうですので,ご利用ください。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フィンランド語日本語辞典

幡野さん著『フィンランド語日本語辞典』フィンランドでフィンランド語日本語辞典を自費出版されている方から,辞書の最新版が届きました。幡野さん,ありがとうございます。少しずつ改訂・増補を続け,現在見出し語は4万9千語まで増えたそうです。2004年夏版からは単語の活用形に関する情報 (権威あるフィンランド語辞書である Suomen kielen perussanakirja の活用情報を利用しています) も加わり,便利に利用できる辞書になっています。

幡野さん著『フィンランド語日本語辞典』を開いたところ (131KB)別ページにある フィンランド語辞書に関する情報 の中で入手方法を紹介しています。ご関心のある方はどうぞご利用ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「フィンランド・メソッド」と「グローバル・コミュニケーション力」

小学校一年生の姪が,誕生日に本が欲しい,とのことで本屋さんを巡っていたところ,「『フィンランド・メソッド』で親子で100冊本を読もう」と謳った本が目に止まりました (北川達夫監修,フィンランド・メソッド普及会編 (2006) 『親子で書こう!100さつ読書日記』 発行:経済界. ISBN-13: 9784766783810)。1冊読むごとに,親子でその本について対話をして子供から読書の感想を引き出し,読書日記をつけていきましょう,というもので,幼児から小学校低学年程度まで,日本語で出されている本 (翻訳も含む) が100冊,シールつき (!) で推薦されています。この本は,フィンランドの小学生がつけている読書日記をモデルにしたものということです。(ちなみに,姉妹書として小学生むけの『小学生100冊読書日記』 (ISBN-13: 9784766783742) も発売されています。)

この本の狙いは,子供に読後の感想を求め,さらに「どこが面白かった?」「どうして面白かった?」というふうに,対話によって感想を具体的にしていきく訓練をしましょう,ということのようで,「フィンランド・メソッド」はこのような対話法を指しているようです。「どうして?」という問いで考えを深める方法は,フィンランドの国語教育でよく見られるものだそうで,フィンランドの小学生の読解力の高さはこの方法で訓練されているところが大きいと監修者らは考えているようです。フィンランドの図書館利用率の高さ,一人が読む読書量の多さも,まずは100冊めざしましょう,というこの本のコンセプトに影響を与えているに違いありません。

フィンランドが OECD による最近の 学習到達度調査 (PISA) において,2回連続読解力世界一であったことはよく知られています (これについては以前 記事 として紹介しました)。『親子で書こう!100さつ読書日記』 の監修者らは,「フィンランド・メソッド」を紹介する書籍 (北川達夫 & フィンランド・メソッド普及会著 (2005) 『図解フィンランド・メソッド入門』経済界. ISBN-13: 9784766783476) も刊行しています。それによれば,フィンランド式の国語教育は「グローバル・コミュニケーション力」を身につける教育であり,「日本の学校では,グローバル・コミュニケーション力の教育をおこなっていません。そもそも,日本の教育界には,そのための教育メソッド自体が存在しない」(p. 24) と述べられています。

そもそもグローバル・コミュニケーション力とは何でしょうか?著者らによれば,この力は国際的に通用するコミュニケーション能力で,「相手がどこの誰であろうと,自分の言いたいことを理解させる能力。そして,相手がどこの誰であろうと,その言うことを理解する能力」(p.18) だそうです。先ほどの読書日記で,「どうして?」という問いで考えを深めさせる方法は,相手の立場に立って考え,高度な議論をおこなうための基礎訓練として,フィンランドの国語の授業で徹底的におこなわれているというわけです。

日本人は読解力というと,書かれたものを読んで正確に理解することに終始しがち。PISA に現れた読解力の違いは,相手がどうしてこのような意見を持っているのかを把握し,その理由について議論する能力の違いであり,日本の (少なくとも「国語」の) 教育ではこの能力を訓練する場がない,という見方には,一理あるような気がします。(フィンランド以外の北欧諸国の教育はどうなんだろう,ということがよく分かっていない私には,「フィンランド・メソッド」という呼び名は,ちょっと鼻につくのですけどね。)

ちなみに,後者の本で「カルタ」と呼ばれている,フィンランドの国語教育でよく用いられているという発想法は kartta 「地図」のことです (恐らく日本人に親しみやすいよう,あえて「カルタ」と呼んでいるのだと思いますが,イメージはずいぶん違います)。正式には käsitekartta 「概念マップ」 [フィンランド語のページ Wikipedia] や ajatuskartta 「アイディアマップ」と呼ばれ,キーワードを中心に自由に関連する言葉やイメージを描いていくこの手法,もともとイギリス人のトニー・ブザン氏 (Tony BUZAN, 1942-) が1960年代に開発したブレインストーミングの手法「マインドマップ Mind Maps ®」 [Wikipedia] を手本にしているそうです (前掲書 p.28,ただし,英語の Wikipedia の解説によれば,ブザン氏が提案するルールに厳密に従わないものを指して idea map ということがあるようです)。マインドマップはもともと記憶力の訓練やアイディアメモの効果的な作成などを意図して作られたもの,ということですが,フィンランドでは子供の教育に応用しているところが非常に新鮮です。(なお,日本語でのマインドマップの書き方は,伊藤賢さんの mindmap.jp に詳しく紹介されています。また『図解フィンランド・メソッド入門』にも簡単な紹介があります。)

さて,話が前後してしまいましたが,『親子で書こう!100さつ読書日記』 には,ざっと見たところ,マウリ・クンナス Mauri Kunnas [Amazon.jp] の絵本 (『大時計のおばけたち』『サンタクロースと小人たち』,いずれも偕成社刊,稲垣美晴さん訳) が2冊紹介されているだけで,フィンランドの本自体はあまり紹介されていませんでした。結局,姪っ子には,読み終わったらまた何か送ってあげられるように,と中島和子さんの「ベンチになったまじょ」のシリーズ [Amazon.jp] と寺村輝夫さんの「こまったさん」シリーズ [Amazon.jp] から1冊ずつ選んで送りました。他によいシリーズがあったら,どなたか教えてください。(「こまったさん」は1年生にはまだちょっと難しすぎたかもしれませんね...)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ポルボー大聖堂その後 (2)

以前ご紹介した 火事に遭ったポルボーの教会のその後の様子が,9月7月のHelsingin Sanomatの写真つき記事に出ていました (フィンランド語のページ 「ポルボー大聖堂の新しい屋根板は松に」)。

また,同じ日の記事によれば,火事の後始末をしていて教会脇の事務室の床下から1700年代とみられるワインセラーが見つかったのだそうです (フィンランド語のページ 「ポルボー大聖堂から古いワインセラーが見つかる」)。

意外な副産物なのですが,その代償も大きいので大変。修繕費用は400万~1千万 600万ユーロとか (フィンランド語のページ 11月10日のHelsingin Sanomat記事)。フィンランド語のページ ポルヴォーのスオミ教会の教区 では フィンランド語のページ 寄付 も受け付けているようです (ただしフィンランドの銀行あて)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Selkouutiset のエラー

6月28日ごろから,Podcast で配信されている Yle のラジオ局 Radio Peili の Selkouutiset を iTunes で更新すると,以下のようなエラーが出るようになりました。

RSSファイルを読み込むと...

RSSデータを開くと,こんな感じ (FireFox) RSSデータを開くと,こんな感じ (IE) 配信内容が記述されている RSS ファイル (XML形式) をよく見てみると,ファイルが正しい文字エンコード方式 (Unicode の変換形式 UTF-8) になっていないようで,一部文字化けが起こったり,XMLデータの整合性チェックでエラーが出たりします (右画像参照)。7月2日の時点で6月29日(木) の番組まで,音声データの場所も含め情報がこれまでどおり記述・公開されており,おそらくRSSデータが正しく公開されていないことがエラーの原因だと思われます。

ちなみに,Yle の番組ホームページからフィードバック palaute を使ってメッセージを送ったところ,「担当者は7月末まで (!) 夏休みです。」という何ともおおらかな自動送信が返ってきました ;-) はたして,状況はいつ改善されるでしょうか。

Updated 状況は7月3日(月)の昼過ぎに解消したようです。復旧のお知らせをYLEの担当者の方からいただきました。 iTunesでもこれまでどおりダウンロードできるようになりました。 [2006-07-03]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

YLE Selkouutiset の楽しみ方

iPodでテキスト閲覧 Podcast 用のソフトウエアとして広く普及している iTunes で,フィンランドの大手放送局 YLE のラジオ局 Radio PeiliSelkouutisetポッドキャスト してよく聴きます [ 以前書いた紹介記事 ]。テキストが平易なため聞きやすいことはもちろんですが,朗読されるテキストの全文が RSS データ [ e-words ] に含まれており,音声と一緒に利用できるので,フィンランド語学習者にはもってこいだと思います (テキストと朗読はほんの少し異同があることもあるようですが)。

iTunes の「テキストの表示」画面 iPod上では,ポッドキャストしている番組を再生中にセンターボタン (ホイールの中心にあるボタン) を2回押すと取り込んだテキストが閲覧できます。また,Windows 用の日本語版 iTunes では,記事を選択後右クリックして [説明の表示] を選ぶとウィンドウ上に表示されます (図は iPod mini [ 私の愛器 ] と iTunes で2006年6月22日の記事 (一部) を表示したものです。ä, ö などのフィンランド語の記号つき文字 (俗に skandi-t 《複数分格形》 などと呼ばれます) もちゃんと表示されます)。なお,iTunes での印刷はそのままではできないようですので,右クリックでテキストを「全て選択」して「コピー」し (Windows の場合),印刷できる他のソフトに貼り付けて利用するとよいでしょう。

iTunes は無料で使え,iPod への転送ソフトとしてだけでなく,ポッドキャスティング用にダウンロードした音声データを音楽CDに焼く,といった作業をするときにも便利です。なお,iTunes の古いバージョンにはセキュリティ上の問題がありますので,アップデートをおすすめします (2006年6月24日時点での最新バージョンは6.04です)。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

北欧の子どもの本の特別展示

恩師M先生からの情報です。国立国会図書館 国際子ども図書館 [ 利用案内 ] の主催で,2006年7月15日(土)~2007年1月28日(日)まで,北欧の子どもの本の特別展示「北欧からのおくりもの-子どもの本のあゆみ」が開催されるそうです (於 国際子ども図書館 3階 本のミュージアム)。展示会の詳細はこちら

展示に関連して,7月15日(土)13:00から 冨原眞弓先生,福井信子先生による講演会 も開催されます (要申し込み)。

Rauhallista juhannusta!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

暑い?夏至祭

フィンランドの重要なお祭り「夏至祭」 juhannus (juhannukse-n 《属格形》) [ wikipedia フィンランド語のページ ] が近づいています。夏至祭はぴったり夏至 kesäpäivänseisaus (kesäpäivänseisaukse-n 《属格形》) に営まれるとは限らず,6月20日と26日の間の土曜日と決められており,今年は6月24日です (1954年までは6月24日に固定されていました)。

フィンランドは先週12日,6月としては異例の暑さになったということですが,その天気はどうも夏至祭までは長続きしないようです。フィンランド気象庁の記録 フィンランド語のページ によれば,暑い夏至祭は1999年にあり,ヘルシンキでも最高気温が30度近くまであがったそうですが,平均でみると夏至祭当日の最高気温は20度程度なのだそうです。また夏至祭前日 juhannus と当日の両日が暑くなる日というのはあまりないそうですから,この頃の天気はなかなかむずかしい。 [ Helsinginsanomat の天気予報 フィンランド語のページ をチェック! ]

では,夏至祭までよい一週間をお過ごし下さい!Kivaa juhannusviikkoa!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ポルボー大聖堂その後

ポルボー大聖堂の火災の後,大聖堂には補修用の仮屋根が作られつつあるようです。6月17日の時点でのスナップ を aixcracker さんが公開されています [ flickr.com ]。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

tavis

Japanin kruununprinssi haluaa olla tavisHelsingin Sanomat の最近の記事 (ロイター発 6月15日) で,日本の皇太子がこのように形容されていました。tavis はフィンランド語の口語で「平凡な人」,tavallinen ihminen を表す言葉です。日本語に訳すとすると「日本の皇太子はフツーでいたい」といった感じでしょうか。悲哀を感じさせる表現です。

フィンランド語では,書き言葉 (kirjakieli) と話し言葉 (puhekieli) で全く異なる語彙が使われることがあり,書き言葉だけを勉強した人は恐らくショックを受けると思います。tavis のような -is で終わるパターンは,その中でも比較的類推の効くものだと思います。いくつか例を挙げましょう:

  • futis < jalkapallo (eng. football) 「サッカー」
  • julkkis < julkisuuden henkilö 「有名人」
  • kokis < Coca-Cola 「コカコーラ」 [ Wikipedia ]
  • pehmis < pehmojäätelö 「ソフトクリーム」
  • symppis < sympaattinen (eng. sympathetic) 「思いやりのある,情の深い」

-is で終わる単語は子音で終わっているので,その語形変化には以下のような特徴があります:分格形は -ta/-tä を付けて (tavis-ta),属格形は最後の skse (複数形は ks + 複数を表す i) に変えて語尾をつけます (tavikse-n 《属格形》,taviks-i-a 《複数分格形》)。子音で終わる単語はしばしば子音階程交替を含むため,変化が複雑なのことが多いのですが,-is で終わる口語は子音階程交替が起こりませんから,シンプルです。

これらの口語はもともとヘルシンキを中心とした地域 (Uusimaa) の「都会的」な表現ですが,最近のメディアの発達と普及もあり,フィンランドの大部分で通じます (フィンランドには各地に方言があり,日常会話でどの程度使われるかには違いがあるとは思いますが)。

ちなみに,現在のフィンランド語の口語はいわゆる「ヘルシンキ方言」 (stadin kieli, stadin slangi) とは別物です。もっとも,話す相手や場面によって語彙を使い分ける,というやり方は,stadin kieli でも同様です。日本語の方言は,といえば,共通語の普及に伴って意識的な語彙の切り替えをやめ,方言語彙を捨てつつあるような気がするのですが,これは田舎を離れてしまった自分の言葉への反省から出ている思い込みでしょうか...

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フィンランド議会制度発効100周年

2006年6月1日は,フィンランドで一院制の議会制度が発効してちょうど100年という記念日でした。フィンランド共和国議会のホームページ議会100周年記念の特集 が組まれています。議会の歴史 のページでは,詳細な歴史的解説のほか,歴史を紹介するビデオも観ることができます。(この段落で紹介したコンテンツは,いずれもフィンランド語のほか,スウェーデン語,英語で閲覧できます。)

フィンランドの独立は1917年で,このときフィンランドはまだ独立していません。当時フィンランドはロシア領であり,ロシア皇帝を大公とする立憲君主制の大公国という位置づけでした。2006年の議会法の改正を受けて1907年3月15-16日におこなわれた初の選挙では,24歳以上の全てのフィンランドの全住民150万人超に選挙権が与えられました。この選挙が女性に投票権と参政権が認められたヨーロッパ初の国政選挙になったことは,世界史的にも有名です。1907年4月23日に開催された初の国会では,19人の女性が国会議員として参加しました。[ 初の女性国会議員については Ensimmäiset naiset eduskunnassa 1907-1908 (Aura Korppi-Tommola さん) に詳しい。また,各種データ・資料は Naiset Suomen eduskunnassa にも。いずれも フィンランド語のページ ]

上記のフィンランドの政治史のビデオを見ていて,先日紹介した,放火で美しい木の屋根が崩落してしまったポルボー大聖堂 (Porvoon tuomiokirkko) が何度も出てきて,やりきれない気持ちになりました。スウェーデンがロシアに敗れ,フィンランドがロシア領となった1809年,ロシア皇帝アレクサンドル1世がフィンランドに大幅な自治を与えることを宣言した最初の「国会」は,3月28日にポルボー大聖堂の中で開催されているのです (国会が定期的に招集されるようになるのは1963年になってからですが)。なお,当時アレクサンドル1世が座った王座は フィンランド民族博物館 に保管されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本発着のフィンエアーが増便

しばらく前からお世話になっている フィンエアー・プラス のニューズレターが届きました。フィンランド航空 は6月3日から中部国際空港―ヘルシンキが週3便が運行をはじめましたが,7月4日からは関空―ヘルシンキが1便増便されて週6便になるそうです。

週2便の成田―ヘルシンキを合わせて日本発着週11便という就航本数は,直行9時間半で到着という「ヨーロッパの玄関口」としての人気の高さを裏付けているのかもしれませんね。ときに,西のほうがにぎやかなのに,成田便が相変わらずの週2便なのは,何か理由があるのでしょうか ;-)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

Porvoon tuomiokirkko が火事

フィンランド南部の都市 Porvoo にある町のシンボルともいえる教会「ポルボー大聖堂 Porvoon tuomiokirkko」 [Wikipedia の解説 フィンランド語のページ] が放火され,かなりの被害が出たようです。酒に酔った若者数人の犯行とか... [Helsinginsanomat による 写真ドキュメント フィンランド語のページ]

傾斜のある美しい木製の屋根は,無残にも焼け落ちてしまいました。教会の最も古い部分は 1200 年代に作成されたといわれている歴史的にも価値ある建物だけに,ショックです... (教会内部はかなりの部分が焼け残った [Helsinginsanomat の5月30日の記事 フィンランド語のページ] というのが不幸中の幸いでした。)

今年5月5日夜にはヘルシンキの中心部にあった古い倉庫群 VR:n makasiinit が放火され,保存も検討されていた建物の半分が消失しました。[Helsinginsanomat による 写真ドキュメント フィンランド語のページ] いやなニュースは続くものですね...

【更新情報】 フィンランド語の Wikipedia の Porvoon tuomiokirkko の項 フィンランド語のページ が更新され,火事の様子とこれまで大聖堂が受けてきた被害についての記載が追加されていました。それによれば,大聖堂はその歴史の中で何度も火事や襲撃,爆撃などで崩壊の危機に遭ってきたのだそうです。また,YLEのニュース映像のアーカイブ フィンランド語のページ があるページについても,Wikipedia の更新で初めて見つけました。[2006-06-07]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フィンランドのバンドがユーロビジョンで優勝

フィンランドのロックバンド Lordi が,アテネで開催されたヨーロッパのポップス国別コンテスト Eurovision Song Contest 2006 「ユーロビジョン」 (>>Yle のフィンランド予選のページ フィンランド語のページ ) に出場し,フィンランドの代表として初めて優勝したそうです。しかも,292点はユーロビジョン史上最高点だとか。おめでとうございます。

Lordi は「ロード・オブ・ザ・リング」にもある lord 「王」をフィンランド語風にしたもので,最後に i をつけて母音で終わるようにしてあります。モンスター風の風貌は,さながらマッドマックスかスターウォーズか,はたまたデーモン小暮か... エントリーした曲 Hard Rock Hallelujah (歌詞は英語) は,Lordi の公式ウェブストア Monstereo から視聴することができます (ビデオもあります)。

ユーロビジョンは視聴者の投票で順位が決まりますが,視聴者はその国の代表には投票することはできません。フィンランドの代表は,知名度の低さや言語の問題から,これまで苦戦に次ぐ苦戦をしてきました。その苦々しい記録は,Wikipediaのフィンランド代表の記録のページ フィンランド語のページ に見ることができます。フィンランド語で Eurovision は Eurovisio ないし Euroviisut (Euroviisu-t 《複数主格形》; Euroviisu-j-en 《複数属格形》; Euroviisu-j-a 《複数分格形》 < viisu 「流行歌」) です。後者の Euroviisut は,フィンランド語でお祭りやイベントを表す単語がしばしばそうなるように,複数形で使われます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

バイオガソリン

フィンランドで,有機燃料エタノールを含んだ エタノール混合ガソリン (フィンランド語では「バイオガソリン」 biobensa, bensabensiini の略式な言い方) の提供がこの春から始まったということです。供給されているのは,98E, 95E と呼ばれるタイプのガソリンで,それぞれエタノールを 2-5% 含んでいます。スウェーデンなどで実用化されている E85 (エタノール85%燃料) とは異なり,特殊な装備のない車でも使えるのだそうです (フィンランドの石油燃料製造販売企業 NESTE の バイオガソリン FUTURA シリーズのページ にエタノール混合ガソリンに関する FAQ "Kysymyksiä ja vastauksia Biobensiinistä" (PDF文書) があります フィンランド語のページ )。

炭素を含まない種類のエタノールは,地球温暖化の防止に役立つ「環境にやさしい」燃料です。日本では,法律で3%までのエタノール混合が認められている [Wikipedia] らしいのですが,エタノール混合ガソリンの販売はまだされていません。

Etelä Suomen Sanomat の記事 フィンランド語のページ (2006年4月20日) によれば,フィンランドで使われているエタノールはなんとワインから作られるのだとか!運転する人の代わりに車がほろ酔いみたいで,面白いですね。

ちなみに,フィンランドは環境に配慮した バイオマス 産業も盛んで,自然資源からとったエタノール燃料 ETBE (= 英語 Ethyl Tertiary-Butyl Ether, フィンランド語 etyylitertiääributyylieetteri ←長っ) の製造でも有名なのだそうです。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

フィンランド語をpodcastingして聴いてます

最近,iPodの ポッドキャスト機能 を使って,フィンランド語のラジオ・テレビ番組を楽しんでいます。インターネットにつながっていなくても番組を視聴できるポッドキャストは,私にとって,もはや仕事の行き帰りや出張には手放せないサービスです。

ポッドキャストできるフィンランド語の番組はいろいろありますが,フィンランドの大手放送局 YLE が提供するページ Ylen podcast-tarjonta フィンランド語のページ 「YLEの提供するポッドキャスト」を一度試してみてはいかがでしょう (現在テスト中のサイトですので,今後変更などあるかもしれません)。iTunesに登録できる番組の一覧がRSS 2.0形式 [>>e-Words] でリストされており,各番組の RSS データのアドレスをコピーしてiTunesの登録ダイアログ (Windows版であれば,[詳細]→[Podcastを登録]) に貼り付けると,すぐにコンテンツを登録できます。

iTunes のPodcast登録画面。エラーが出ています
ただ,使ってみたところ,登録してすぐにダウンロードができる番組とそうでないものがあります。ダウンロードに時間がかかると「接続がタイムアウト」してしまうのが原因のようです (Podcastに登録した項目の先頭に「!」マークが出て,ダブルクリックすると画像のようなエラーの説明が出ます)。

iTunes のPodcastのエラー内容を表示したところ

これはどうもダウンロード時間の問題らしいのですが,マニュアルやFAQなどをみてもなかなか解決できません。どなたかご存知の方がいらっしゃったらぜひ解決策をご教示ください。現時点でいくつか番組を試してみています。ダウンロードできている番組をいくつか以下に紹介しておきます (リンクはRSSデータです。RSSと書かれたリンク部分をマウスでiTunesにドラッグ&ドロップするだけで登録ができます。試してみてください)。

  1. Selkouutiset [RSS] (Radio Peili: 分かりやすいフィンランド語 selkokieli によるニュース。毎日配信。)
  2. Sanomalehtikatsaus [RSS] (Radio Peili: 新聞各紙のニュースをまとめて毎日配信。Selkouutisetよりも本格的で読む速度も早いです。)
  3. A-plus [RSS] (TV1: ビジネス関係の専門家を招いた討論番組。毎週更新。Updated 2006年5月18日の放送で A-Plus は夏休みに入りました ;-) 放送は秋から再開されます。)
  4. Suhteellista [RSS] (Radio Suomi: さまざまな男女関係に関する話題を専門家をゲストに招いて語る。毎週更新。)
  5. YleX Tänään [RSS] (YleX: いろいろな分野のゲストのインタビュー部分を配信。若者向けですが,内容はまじめです。不定期更新?)

学習者むけにおすすめなのは 1. の Selkouutiset です。また,インタビューや討論はいずれも比較的聞き取りが難しいのですが,Suhteellista は話題がとっつきやすい(?)だけに,聞きやすいように感じます。

【更新情報】 2006年6月6日の YLE のお知らせ フィンランド語のページ によれば,YLE のサービス向上のための方針 (YLE2010) に基づき,TV・ラジオのチャンネルとサービスが見直されるそうです。それによれば,音楽なし,オール音声放送の時事チャンネル Radio Peili フィンランド語のページ の視聴可能域がフィンランド全土に広げられ,今後第4の全国放送チャンネルになるそうです (現時点では国内の数都市とその周辺に限られています)。YLE2002 には YLEn vähemmistö- ja moninaisuusstrategian toteuttaminen 「YLEの方針であるマイノリティ・多様性への配慮を実現する」 という項目もあり,上記ポッドキャストでもお世話になっている Selkouutiset が全国区になることには重要な意味がありそうです。 [2006-06-09]

| | コメント (0) | トラックバック (2)

パレコッパ

映画『かもめ食堂』 (以前の記事はこちら) の原作を読んでいたら, pärekoppa というバックを主人公のサチエさんはかかえて毎日市場に出かけているのでした。さて,日本語では何と言うんだろうと思ったら,日本語にも päre (属格 päree-n; 分格 päre-ttä) にあたる「経木(きょうぎ)細工」の板という立派な名称がありました (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』に 解説 があります)。

ちなみに koppa (属格 kopa-n; 分格 koppa-a) は kori と同じで「かご」のことです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

北欧インテリアチェーンが日本進出

スウェーデンの家具チェーン IKEA の直営店第1号が,4月24日船橋にオープンしたそうです。レストランではスウェーデン料理も出し,スウェーデンフードマーケットも併設してあるなど,なかなか本格的。GWは,混みそうですね...

フィンランドのIKEAの店舗 フィンランド語のページ はヘルシンキ市の近郊のエスポーとヴァンターにあります。フィンランド語のページの構成が,見事に日本語のページに対応しているので,見てみるとなかなか楽しめます ;-)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Kielitoimiston sanakirja

Kielitoimiston sanakirja1997年に出版され,改訂が待望されていたフィンランド語の国語辞典 Perussanakirja の改訂版が Kielitoimiston sanakirja フィンランド語のページ として発売されました。日本語 Windows (システムのロケールを変更しなくともOK!) でもばっちり動作します。フィンランドの地名とその変化形も検索できる Asutusnimihakemisto も付属しており,便利です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「英国よりもひどいものを食べているのはフィンランドだけ」

独露との会談で,フランス大統領がこう述べたとか。この記事のタイトルは,Helsingin Sanomat のニュースのタイトル Britanniaa huonommin syödään vain Suomessa を訳したものです。イギリスの話をしていて,「フィンランドに次いで料理がまずい」とおっしゃったのだとか。

通常,このような中傷には反論やコメントがあるはずですが,フィンランドからは特に異論もないようで... (一般のフィンランド人の反応については,例えば Helsingin Sanomat のフォーラム で投稿を読むことができます。) 私は,フィンランドのパンや,ルバーブ (raparperi) のお菓子,コーヒーなど,おいしいなあ,と思うものが結構あるだけに,複雑な気持ちです。料理がまずい国が信用できないかどうか,はともかく ;-(

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Kamppi 新しくなる

ヘルシンキの中心部,旧バスターミナルのあったカンッピ Kamppi の第1段階の整備が完了し,順次利用できるようになったそうです。

  • バス停留所 (ヘルシンキ市内,エスポー,遠距離バス)
  • エスポー方面のバス
  • 旅行者むけ設備
  • 駐車場
  • 地下鉄への連絡口

などが新しくなったほか,新しいショッピング施設も登場とか。開発中のようすはこちら。詳細は公式ホームページ Kampin keskusHelsingin Sanomatの特集 を見てみてください (全てフィンランド語のページ。英語のよいページを探しています。見つけたら,リンクを追加します)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フィンランドのヴァーチャル図書館と読書振興

OECD の2004年の学習到達度調査でトップに躍り出たフィンランドの教育について,読売新聞「教育ルネッサンス」の特集「フィンランド報告」が紙面をにぎわせていました (No.39 - No.47, 2005年3月23日から4月2日, 全9回)。

第1回記事に,児童の読書振興策として,小中学生むけの読書支援策として,ユーザが書評を書ける掲示板つきの 児童むけ読書フォーラム フィンランド語のページ [>>英語による紹介] が紹介されていました (←リンク先が記事で紹介されているサイトである,という保障はありません)

ヴァーチャル図書館とか,デジタル・ライブラリというと,日本ではひどく縁遠い感じがしますが,フィンランドでは地域の図書館がデジタルリソースを使ってあの手この手で利用をPRしており [例えばタンペレ市立図書館の児童文学に関するリンク集 フィンランド語のページ を参照] ,まさに生活の一部として機能しています。e-learning の定義 が「コンピュータネットワークなどを利用して教育を行なうこと」[e-Words] だとすると,とかく電子化されたコンテンツを用意して,という話になりがちですが,この場合の成功のカギは「読書」という行為自体をオンラインで行うわけではないところにあるような気がします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本語フィンランド語辞典

荻島崇先生が『日本語フィンランド語辞典』 (大学書林,2005年1月刊,ISBN: 4475001544) を出版されました。日本語からひけるフィンランド語の辞典としてはフィンランドで出ている Salomaa の小さな Japani-suomi sanakirja (Suomen Yrityslehdet Osakeyhtiö, 2nd, Corrected Edition, 2000年刊, ISBN: 951-98181-2-x) 以外めぼしいものがない状態ですので貴重です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ホタカイネンの名作が日本語で

フィンランドの小説家 カリ・ホタカイネン Kari Hotakainen フィンランド語のページ の名作 Juoksuhaudantie が『マイホーム』というタイトルで邦訳され,先ごろ出版されました (新評論社,ISBN 4-7948-0649-3)。訳者の末延さんはフィンランド文学情報サイト Kirjojen puutarha も主催していらっしゃいます (『マイホーム』の紹介も)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

世界遺産

12月5日(日)にTBS系 『世界遺産』 でエストニア,タリンの旧市街が紹介される予定とのことです。最後に訪れたのは数年前です。その間,エストニアのEU加盟もありましたし,街がどのくらい変化しているのかも興味深いところです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ISO suomen kielioppi

Iso suomen kielioppi & A Comprehensive Grammar of the English Language

待望のフィンランド語文法書が手元に届きました。その名も Iso suomen kielioppi フィンランド語のページフィンランド語文法』 (Auli Hakulinen ほか編,SKST 950. Helsinki: Suomalaisen Kirjallisuuden Seura, 2004. ISBN: 951-746-557-2)。英語の大規模な記述文法書 Quirk ほか編 (1985) A Comprehensive Grammar of the English Language (London: Longman) を範として作成されたこの本は,全1,698ページ。フィンランド語研究がこれから大きく変わる予感があります。

1957年に刊行されて以来,長く出版のなかったフィンランド語の本格的な文法書ですが,1995年からはじまった大プロジェクトの成果として,最新の研究成果が凝縮されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)