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広がる,ペンギンの輪

これまで交通機関によりばらばらだった非接触型のICカードサービスですが,2007年3月18日から関東圏のJR・私鉄・バスなどで一枚での相互利用ができるようになります。相互乗り入れは,JR東日本の SUICA (首都圏,仙台エリア,新潟エリアで利用可能),首都圏の私鉄各線およびバスが使える新しい PASMO,JR西日本の ICOCA (京阪神エリアで利用可能) の3種類。

SUICA使えます。ICカードの利用は,関東圏以外でも少しずつ広がっています。例えば,仙台近郊では既に2003年10月の時点で SUICA の利用が開始されており,2007年2月初旬に仕事で訪れた際には駅ビルのあちこちで「使えます」というのぼりが立っていました (写真は立ち食いそば屋さん)。また,2007年2月21日からは仙台駅周辺27店舗のファミリーマートでも支払い・チャージができるようになったそうです。エリアがまだまだ限定的なので,またいで使えない [JR東日本による SUICA 利用上の注意] といった注意はありますが,IC カードの利用はこれからもどんどん広がりそうです。

ところで,SUICA が利用できない地域でも,東北地方の各地では既に SUICA の宣伝が行なわれているようです。昨年2006年の昼下がり,仕事で岩手県の水沢市に行ったときのこと。駅の待合室で電車を待っていると,おばあちゃん,おじいちゃんたちがぼーっと見ていた駅のテレビで繰り返し再生されていたのが,ペンギンが出てきて買い物をしたり,喫茶店でデートをしたり (で,最後にペンギン君は失恋),というおなじみの SUICA のコマーシャル [JR東日本のCM一覧]。果たして,どれくらいの人が SUICA のイメージがつかめているのでしょうね。

ちなみに,SUICA で複数の交通機関を乗り継いだ場合,料金が通常よりも割高になる場合があることには注意したほうがよいかもしれません。JR各駅などで配布されている SUICA のパンフレット「首都圏ICカード相互利用のご案内」によれば:

  1. 改札を通らずに乗り継いだ場合,最初に乗った路線で全区間乗車したものとして計算される
  2. 改札口を通って乗り継いだ場合でも,連絡切符を買ったほうが安い場合がある (詳細は上記パンフレットを参照してください)

ということです。うっかりスイスイ乗ってしまって損をすることがないよう,ぜひチェックを (今週刊行されるフリーマガジン R25 でも特集されるようです)。関連リンク:ICカード利用時の運賃計算方法について (Wikipedia の SUICA の項目)


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バイオガソリン その後

以前ブログで紹介した バイオガソリンの日本での普及について,遅遅としてすすまない状況をレポートする記事が2007年2月18日付の朝日新聞に出ていました。

日本では,2003年に法律で3%までのエタノール混合が認められて以来,3%のエタノール混合ガソリン (E3) を公用車などに提供する実験が各地でおこなわれてきました。しかし,2007年1月に,エタノールではなく「エタノール燃料 (エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル, ETBE)」をガソリンに混ぜる方式を採用することを,石油大手が組織している 石油連盟 が決定し [プレスリリース] ,エタノールを直接ガソリンに混合する事業に石油会社が石油を提供しなくなり,事業が次々頓挫しているのだそうです。記事ではE3を推進する環境省と経済産業省の要請を受けている業界とが主導権を争う形になってしまっており,バイオ燃料の普及が大きく遅れることになりかねない,と述べています。

これまでのバイオ燃料事業がE3製造を念頭において進められていること,しかも北海道では規格外の小麦やトウモロコシ,山形県新庄市ではコウリャン,大阪府堺市では建築廃材 [2007年1月16日朝日新聞の記事],岡山県真庭市では端材,沖縄県伊江村や宮古島ではサトウキビなど,エタノールを「地産地消」で活用する地域主導型の試みであっただけに,バイオエタノールからの加工に大規模な生成工場が必要となる ETBE へのシフトが与える影響は大きいものがあります。

朝日新聞の記事によれば,エタノールに含まれる水が分離してしまい燃料に水が混じる可能性がある,といった技術的な理由が業界の ETBE 利用決定の背景にあるのだそうです。一方,石油連盟の プレスリリース にあるように,ETBE はその毒性の検証と安全対策にまだ時間がかかります。さらに,こうした問題に加え,エタノール燃料の製造の採算性という問題があります (国内の現状についての情報は,NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク『バイオマス白書2007』 所収 「バイオ燃料2 導入政策と課題」 の (3) 「国産バイオ燃料利用上の課題」を参照してください)。個人的には,ETBE生成のために新たに大規模施設を建造することは,結局は特定の大企業を潤すことにつながらないのかしらん,という感想を持っています。

ちなみにフィンランドでは,バイオ燃料としてETBEとエタノールの両方が使われているようです (NESTE 社のバイオガソリンに関する FAQ [以前のブログ記事参照] によれば,現状では Futura 98 というガソリンにエタノールが直接混合されているらしいです)。

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著作権関連の話題が多数

年が変わってから,著作権関係のニュースがいくつか新聞紙面を飾りました。(以下の 著作権法 各条項は メディア教育開発センター (NIME) の「著作権関連情報データベースシステム」の 「著作権に関する知識」の情報にリンクしています。)

まず,(掲載日が前後しますが) 政府の 知的財産戦略本部 が策定を進める「知的財産推進計画2007」に関連する話題が2つ。1つ目は,著作権法の例外項目 (許諾を得ずに複製や編集が認められる著作権の制限項目) に「検索のための複製や編集」を盛り込むことが政府で決められた,という話題 (2007年1月6日朝日新聞 など)。これまで,私的使用のための複製 (30条) や正当な引用 (32条) のほかは,

  1. 図書館などでの複製 (31条)
  2. 学校その他の教育機関における複製 (35条)
  3. 試験問題としての複製 (36条)

などに制限されている著作権の制限事項に,著作物からの引用をデータベースとして蓄積することを含める,というもの。Google や Yahoo! など,著作権法上の問題からデータベースを海外に設置せざるを得ない現状を改善することが目的ということです。

次に,絶版の出版物を許諾なしにインターネット上に公開できるよう著作権法を改正するというもの (2007年1月5日 日経新聞)。非営利目的の専門書の公開などを目的にしているそうで,公開する側が一定の対価を支払うことになるそうです。教科書等に著作物を掲載する場合に保証金を支払う場合 (33条) と同様の方法ですね。これにより,研究利用のための文献の電子化とデータベースの整備が進むことになるのでしょうか。電子テキストを研究資料として活用している私にとっても,これからの方向性が気になるところです。

最後に,現在著作権者の死後50年と決められている著作権保護期間を70年に延長する,という方針に反対する署名運動青空文庫 が始めた,というニュース (2007年1月5日 ITmedia News)。青空文庫は著作権の切れた作品などをインターネット上に無償で公開しているボランティアベースの電子図書館で,EU や アメリカ [外国著作権法令集,(社) 著作権情報センター] の動向に合わせ,法律上の足並みを死後70年に統一しようという動きに対し,著作権の存続しない著作物の自由な利用を推進する立場から反対を早くから表明していました。

ちなみに,現在のフィンランドの著作権法では,フィンランド語のページ 著作権法 Tekijänoikeuslaki [フィンランド語のページ フィンランド法令バンク FINLEX] の「著作権の有効期間 Tekijänoikeuden voimassaoloaika」 (43条) にあるように,70年が保護期間になっています。これは,フィンランド語のページ 1961年7月に制定された同法 の条項 (当初の保護期間は現在の日本の法律と同じ50年) が,1993年のEUの方針 (Council Directive 93/98/EEC 英語 | フィンランド語のページ Neuvoston direktiivi 93/98/ETY, 出典 EUR-Lex) を受け,1995年に改訂されたものです。改正の流れなどは,Jukka Korpela さんのリソース フィンランド語のページ著作権法の歴史 (と未来) Tekijänoikeuslain historiaa (ja tulevaisuuttakin)」 に詳しく説明されています。

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