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2009年2月の記事

日本フィンランド修交90周年記念

1月にフィンランド大使館で情報交換セッションがあり,その際,ラムステッド博士が初代フィンランド大使として来日して日本とフィンランドが外交関係を樹立してから2009年で90年になること,それを記念するイベントが数多く企画されていることが紹介されました。その中からご紹介:

今年の大きな目玉となるイベントが,東京交響楽団による,シベリウスの後期作品としても重要で,かつ最も大規模な劇音楽作品である 「テンペスト」作品109 の全曲演奏でしょう (2009年9月5日(土) 午後6時~,チケット発売中)。東京オペラシティシリーズ の第51回演奏会となるこの企画,指揮は大友直人さん。フィンランドから歌手が来ることを見ると,フィンランド語版ですね (作品自体の初演はデンマークだったようです)。フィンランディア,悲しきワルツ,カレリア組曲などおなじみの曲も演奏されます。

シェークスピアの想像力あふれる脚本も魅力の「テンペスト」,シベリウスの作品としては劇音楽から採った組曲2曲の方が有名です (第1番は豪快,第2番は繊細)。現在の公式な全曲版は1927年にフィンランドで演奏されたものに基づいており,コンサート版の初演 (フィンランド語) は1992年にフィンランド中部の Lahti でおこなわれ,初演メンバーでの録音 (BIS CD-581) もあります (初演時の録音ではテナーが2名,9月の演奏会ではバリトンが2名のようですね)。この他,Saraste 指揮フィンランド放送交響楽団による録音 (フィン Ondine ODE 813-2) もあるようです (こちらはバリトンが2人)。

ステージ裏やステージ上方で演奏,などという特殊な効果もあるようですので,演奏会が楽しみですね。ちなみに,組曲版の演奏はたくさんありますが,Segerstam 指揮,Helsinki フィルの演奏 (フィン Ondine ODE 914-2) がお気に入りです (以前サンプラーとしてかなり安い値段で頒布されていたような...)。

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YLE podcast アドレス変更

YLE Podcast の登録 フィンランドから帰ってみたら,YLE (フィンランドの放送局 Yleisradio) のポッドキャストのアドレスが軒並み変更になっていました。アドレスの登録は YLE の podcast 一覧ページ にある RSS アドレスを iTunes などのツールにドラッグアンドドロップすればOK。簡単です (画像を参照してください)。iTunes-linkki というリンクがある番組は,そちらをクリックしてもいいようです。

まだ番組一覧を精査してはいないのですが,いくつかの番組が整理 (統合?) されたようなのと,番組内容を表すタイトルから日付が抜けてしまっていていつの番組か分からない,など不都合もありそうです。とりあえずのお知らせでした。

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高校生から大人に(フィンランドの場合)

フィンランドの高校生の卒業イベント penkinpainajaiset 於ヘルシンキ ヘルシンキ滞在中です。先週たまたま高校生の卒業イベント penkinpainajaise-t (< penkinpainajainen の複数形) [ フィンランド語のページ Wikipedia | 英語 ] に遭遇しました。卒業を予定している高校生 (abiturientti,口語では abi) たちが正式な授業が終わる日 (実際にはその前日らしい) に仮装をしてそれぞれのメッセージを掲げたトラックの荷台に乗り,歓声をあげながら町を行進する,というもので,たくさんの人が北エスプラナーディの通りに出て彼らを祝福していました。トラックからはキャンディやらチョコレートやらが投げられ,ここぞとばかり袋いっぱいに集めている人もいました。

penkinpainajaiset は文字通り penkki「ベンチ (この場合はトラックの荷台)」を paina-a「重くする」イベントで,口語では penkkari-t と呼びます。いずれも複数形 (複数主格語尾は -t)で使います (複数形はお祭りやイベントを表す名詞によくあります)。フィンランドだけの行事ではなく,スウェーデンにも同じようなイベントがあるそうです (bänkskuddardagen, penkkis)。

penkinpainajaiset のようなイベントは日本にはありません。テレビでニュースを観ていたら,インタビューされて「penkkarit は古い習慣で,面倒くさい」と答えた高校生もいましたが,私としてはこのようなイベントには,彼らが高校生活を締めくくる社会的な意味があるように思います。「高校生から大人に」なるお祭りが用意されていて,大人たちがそれを祝福し,彼らは「高校生として」大いにはじける,また子供たちがそのお祭りをみて「僕も,私もトラックに乗って騒ぎたい」と思う... 日本には成人式があるじゃないか,と思われるかもしれませんが,成人式はあくまで成人する人たちのための式であり,多くの大人にとっては「自分たちとは関係ないイベント」になってはいないでしょうか。

そもそも,私たち日本人は自分たちが住んでいる町で,いったい何人の高校生が卒業するか,実数はともかくイメージすることができるでしょうか?フィンランドの人たちは「トラック何台分」というとても具体的なイメージで,大人に仲間入りする子供たちを毎年実感するのです。これから卒業のための試験を受け,社会に巣立っていくフィンランドの abi たちに,大きな声援を送りたくなるこの気持ちを,同じように社会に巣立とうとしている日本の高校生にはどのように伝えたらよいか,考えさせられるひとときでした。

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2009年度通年フィンランド語講座「コミュニケーションのためのフィンランド語」 開講します

麗澤オープンカレッジ (ROCK, 千葉県柏市) にて,2009年4月~12月に通年講座 「コミュニケーションのためのフィンランド語 (入門~初級)」 を開講します。(Webでの申し込みは3月3日に締め切られました。追加のお申込みはご面倒ですが ROCK 事務室 (TEL: 04-7173-3664) までお問い合わせください。)

問い合わせがあったようですので:「教科書」として指定されている 『CD付 ゼロから話せるフィンランド語』 は参照用・復習用参考書です (受講者の皆さんお持ちであるほうが便利ですので挙げてありますが,そのまま使うわけではありませんので,購入をご検討の際はご留意ください)。なお,同書籍は ROCK 事務局にて割り引き購入できますので,ご入り用の際は受講申し込みの際に事務局までお問い合わせください。 [2009-02-21 更新]

24日間 (4/23~12/10,いずれも木曜日 18:45-20:15) で,フィンランド語の最重要語彙と入門~初級レベルの文法の習得をめざします。具体的な場面を想定した口頭練習 ((1) 文型練習 (2) 対話練習 (3) スキットによるパフォーマンス) を通じて,「使える」フィンランド語を学習します。現在のところ予定している場面は以下の通りです。

  • Rock_mapmini自己紹介する
  • 質問する
  • 計画する
  • 予定を聞く/伝える
  • 食事をする
  • 買い物をする
  • 依頼する・誘う・許可を求める
  • 感覚/感情を表現する
  • 状況を説明する
  • 賛同する/しない
  • 不満を述べる・謝る
  • 嘆く・励ます
  • 意見を述べる

特に重点を置く予定なのが単語の習得です。フィンランド語は英語や日本語から類推できる語彙が少なく,初級学習者にとって大きな壁になります。そこで,本講座では毎回新しい単語 (予習分20単語 + その場で導入する20単語) を導入し,それらを実践的に使いながらフィンランド語のさまざまな表現に親しんでいきます。本講座では最終的に 800単語をマスターすることをめざしています。単語やフレーズを覚える練習を楽しみながら積極的におこなっていただきながら,週一回の授業で最大限の効果が得られるようすすめたいと思います。

ROCK は常磐線各駅停車南柏駅より徒歩15分,バスで5分程度です。[ 交通案内 ] 都心からは結構かかりますので,東京からいらっしゃる場合はしんどいかと思いますが,値段的にはかなりオトクかと (24回で 32,200円はちょっとない価格... )。お近くにお住まいの方でご関心のある方,ヨーロッパの多くの言語とは異なる特徴をもつ (日本語に似てる,かな?... かな?たぶん) フィンランド語を体験してみてはいかがでしょうか。なお,ROCKの2009年の前期講座では,フィンランド語と同じウラル語族の言語である ハンガリー語の入門 (野瀬昌彦先生) も開講されます。

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猫の言葉社

3代の『フィンランド語は猫の言葉』,一番右が猫の言葉社によるもの 以前『フィンランド語は猫の言葉』が復刊された,という話を書きました。著者の稲垣さんの英断で,自ら出版社「猫の言葉社」を立ち上げての出版です (写真の一番右が猫の言葉社刊)。先日,稲垣さんご本人に出版社立ち上げの経緯を伺う機会がありました。

猫の言葉社が発売した2008年10月に出した2番目の本が,フィンランドの著名な絵本作家 フィンランド語のページ マウリ・クンナス氏 [英語ページ] の『わすれられないクリスマス』 (稲垣さん訳) です。猫の言葉社の『フィンランド語は猫の言葉』のイラストもクンナス氏によるものです。ちょっと時季外れですが,ご紹介します。

『わすれられないクリスマス』はオリジナルの出版元との契約の関係で,わざわざフィンランドで印刷しているのだそうで,その辺りの事情もマウリ・クンナス氏の絵本のいくつかが入手困難になっている理由のようです。 [マウリ・クンナスの本 by amazon.co.jp] でも,そう考えるとクリスマスプレゼントとしてはちょっとしゃれてる,といえるかも (時季外れですみません...)。

それにしても,最近のフィンランド関係の本の出版,多いです。[2008年1月以降出版された,「フィンランド」をキーワードに含む書籍 by amazon.co.jp ← 2009年2月時点で34冊もあります] このちょっとした出版ラッシュ,いつまで続くのでしょう。


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The Sibelius Edition Vol. 6

Sibelius Edition Vol. 6 スウェーデンの BIS レーベルといえば,ネーメ・ヤルヴィ&ヨーテボリ響にはじまる,フィンランドの国民作曲家ジャン・シベリウス [Wikipedia] の全曲録音シリーズ (1979- ) で有名です。その BIS が,シベリウス音楽アーカイブの決定版とも言える The Sibelius Edition の刊行を始めたのがシベリウスの没後50周年にあたる2007年 (シリーズ刊行の経緯については BISの解説 が詳しいです),その Edition に,ついに日本人演奏家による録音が加わりました!

第6巻:ヴァイオリンとピアノ がそれ。5枚組CDからなる第6巻の白眉とも言える,「ヴァイオリン協奏曲」のピアノ伴奏版 (オリジナル版!と最終版) を演奏するのは日本が誇るシベリウス演奏家である 佐藤まどかさん です。佐藤さんの演奏はこの他にも,シベリウスの手稿や異稿 (協奏曲の複数のスケッチを含む) の世界初録音と「田園風舞曲集」作品106 が入っています。フィンランド人演奏家にも手に負えなさそうな作品に取り組んだ成果は,まさにシベリウス研究で博士号を取得された佐藤さんの面目躍如といったところ。シベリウスのヴァイオリン作品にある室内楽的な響きは交響曲にはない魅力。シベリウスが気になる方に是非おすすめします。

先日,やっとこの CD を手に入れました。写真にあるように,Edition 第6巻はCD5枚組。詳細な作品解説ブックレットとシベリウスの伝記 (ごく短いものですが) がついていますが,どちらも英語,フィンランド語,ドイツ語,フランス語,そして日本語 で書かれているのです (スウェーデン語はなし)。びっくりの大サービスではありませんか!

佐藤まどかさんは,この録音の他にも,国内盤として「シベリウス ヴァイオリン作品集 Vol.1 子守唄」 を出していらっしゃいます。ピアノ伴奏は渡邉規久雄さん。私も大好きな「4つの小品」 (作品78, 1915年作曲) から連続して発表された4作品がまとめて収録されており,こちらもおすすめします。ちなみに「子守歌」は「6つの小品」(作品79) の終曲。


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冬のお客様

ナミテントウ (星は二つ) 冬になると,仕事場にどこからともなく現れるのがテントウムシです。ちゃんと窓は閉まっているはずなのに,いったいどこから?

好きな虫なので (アブラムシとか食べてくれる益虫ですしね),見つけると蓋のある入れ物に入れてしばらく遊んだりするのですが,部屋の中が温かいからか結構元気がよく,エネルギー切れにならないか心配になってしまいます。そうこう言っているうちに,写真のナミテントウ (星が二つありました) はちょっと目を離したら部屋のどこかにお隠れになってしまいました bearing うっかり踏んだりしませんように...

テントウムシと言えば数年前,仕事で使う別の部屋の窓が一箇所故障で完全に閉じない状態になっていたのですが,ある時気づいたらその隙間から何百匹というテントウムシが入ってきていました。絶句!成虫は越冬の際,集団を作ると聞きますが,いったいどうやって集まり,どうやって場所を見つけるのでしょう。不思議です...

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