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バイオガソリン その後

以前ブログで紹介した バイオガソリンの日本での普及について,遅遅としてすすまない状況をレポートする記事が2007年2月18日付の朝日新聞に出ていました。

日本では,2003年に法律で3%までのエタノール混合が認められて以来,3%のエタノール混合ガソリン (E3) を公用車などに提供する実験が各地でおこなわれてきました。しかし,2007年1月に,エタノールではなく「エタノール燃料 (エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル, ETBE)」をガソリンに混ぜる方式を採用することを,石油大手が組織している 石油連盟 が決定し [プレスリリース] ,エタノールを直接ガソリンに混合する事業に石油会社が石油を提供しなくなり,事業が次々頓挫しているのだそうです。記事ではE3を推進する環境省と経済産業省の要請を受けている業界とが主導権を争う形になってしまっており,バイオ燃料の普及が大きく遅れることになりかねない,と述べています。

これまでのバイオ燃料事業がE3製造を念頭において進められていること,しかも北海道では規格外の小麦やトウモロコシ,山形県新庄市ではコウリャン,大阪府堺市では建築廃材 [2007年1月16日朝日新聞の記事],岡山県真庭市では端材,沖縄県伊江村や宮古島ではサトウキビなど,エタノールを「地産地消」で活用する地域主導型の試みであっただけに,バイオエタノールからの加工に大規模な生成工場が必要となる ETBE へのシフトが与える影響は大きいものがあります。

朝日新聞の記事によれば,エタノールに含まれる水が分離してしまい燃料に水が混じる可能性がある,といった技術的な理由が業界の ETBE 利用決定の背景にあるのだそうです。一方,石油連盟の プレスリリース にあるように,ETBE はその毒性の検証と安全対策にまだ時間がかかります。さらに,こうした問題に加え,エタノール燃料の製造の採算性という問題があります (国内の現状についての情報は,NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク『バイオマス白書2007』 所収 「バイオ燃料2 導入政策と課題」 の (3) 「国産バイオ燃料利用上の課題」を参照してください)。個人的には,ETBE生成のために新たに大規模施設を建造することは,結局は特定の大企業を潤すことにつながらないのかしらん,という感想を持っています。

ちなみにフィンランドでは,バイオ燃料としてETBEとエタノールの両方が使われているようです (NESTE 社のバイオガソリンに関する FAQ [以前のブログ記事参照] によれば,現状では Futura 98 というガソリンにエタノールが直接混合されているらしいです)。

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