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2007年2月の記事

幻のムーミン作品?

Time で絶賛された漫画 Moomin ちょっと前になりますが,Tove Jansson (2006) Moomin: The Complete Tove Jansson Comic Strip. Montréal: Drawn & Quarterly. [出版社カタログ] が,Time が選ぶ2006年に英語圏で出版された本のベスト10に入りました。そもそもこのセレクションに漫画が入ること自体驚きです。先日1ヶ月近くかかって届いた本は,クロス装の大変美しいものでした。

今回刊行されたのは,イギリスの日刊紙 The London Evening News に 1953年から1958年までコマ漫画として掲載された Moomin を完全収録するシリーズの第1巻で,「ムーミンと山賊」「ムーミン一家の生活」「リヴィエラのムーミン」「ムーミンの無人島」の4本立て。既にフィンランドのスウェーデン語新聞 Ny Tid でムーミンを描いてきたヤンソンですのでキャラクターは安定しており,おなじみの面々が個性たっぷりの活躍を見せます。Times の推薦の辞もふるっていて,ムーミンシリーズがもつ静かな世界とはまた別のストーリーが空想たっぷりに展開されているのが面白い,といった趣です。確かに,ムーミンたちがフランスのリヴィエラ (避寒地) にいたりするんですからね ;-)

本には文学史家によるごく簡単なヤンソン作品の解説がついており,それによれば,連載開始後爆発的な人気を得たムーミンシリーズは,世界各地の40あまりの新聞に配信されるようになったそうです。しかし,Time によれば,掲載されたオリジナルはこれまで1度も出版されていなかった,とか。確かに今までのムーミンの漫画にはなかったストーリーのような気がしますが,Amazon の「商品の説明」 には [T]his is the first North American edition of an expressive and endearing classic. としか書かれておらず,はっきりしません (ムーミン作品に詳しい方でどなたかご存知ありませんか?)。

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インターネットで選挙やら納税やら

フィンランドの隣国エストニアの2007年3月4日の国会議員選挙 [公式ページ (英語)] で,インターネットからの投票が世界で初めて行われるそうです (CNET の記事 (英語))。記事によれば,2005年に地方選挙でインターネットを導入し,1万人が投票に利用したそうですが,今回は,94万人の有権者のうち,2~4万人が利用する見込みとか。電子投票のページはこちら (英語)。インターネットでの投票は期限前なら何度でもやり直しできるそうです。なるほど。

私は先日確定申告で,初めて国税庁の 「確定申告書等作成コーナー」 を利用しました。フォームに必要事項を記入して作成していくもので,印刷したものに捺印し,税務署に提出。便利でした。ただし,いきなり申告書を選択すると大きなフォームがいきなり現れますので,メニューの「当てはまる申告書がお分かりにならない場合」からガイダンスしてもらうとよいようです。ちなみに,私もガイダンスの手順どおりに入力していったのですが,「社会保険料控除」を入力するタイミングが分かりませんでした (どうも申告書画面全体が出た段階で追加しなければならないようです)。最後まで入れ忘れていたので,「ン十万円の追加納税が必要です!」と出てきた時にはとてもびっくりしました ;-)

確定申告には e-Tax という,国税電子申告・納税システムも使えるのですが,準備に時間がかかりそうで,早々にあきらめました。エストニアの先進的な取り組みを聞くと,日本での電子認証の普及には,何かが足らない!と思うのですが,どうなんでしょう。世界各国の電子申請の普及率,調べてみたいですね。申告期間は3月15日(木)までです~。

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バイオガソリン その後

以前ブログで紹介した バイオガソリンの日本での普及について,遅遅としてすすまない状況をレポートする記事が2007年2月18日付の朝日新聞に出ていました。

日本では,2003年に法律で3%までのエタノール混合が認められて以来,3%のエタノール混合ガソリン (E3) を公用車などに提供する実験が各地でおこなわれてきました。しかし,2007年1月に,エタノールではなく「エタノール燃料 (エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル, ETBE)」をガソリンに混ぜる方式を採用することを,石油大手が組織している 石油連盟 が決定し [プレスリリース] ,エタノールを直接ガソリンに混合する事業に石油会社が石油を提供しなくなり,事業が次々頓挫しているのだそうです。記事ではE3を推進する環境省と経済産業省の要請を受けている業界とが主導権を争う形になってしまっており,バイオ燃料の普及が大きく遅れることになりかねない,と述べています。

これまでのバイオ燃料事業がE3製造を念頭において進められていること,しかも北海道では規格外の小麦やトウモロコシ,山形県新庄市ではコウリャン,大阪府堺市では建築廃材 [2007年1月16日朝日新聞の記事],岡山県真庭市では端材,沖縄県伊江村や宮古島ではサトウキビなど,エタノールを「地産地消」で活用する地域主導型の試みであっただけに,バイオエタノールからの加工に大規模な生成工場が必要となる ETBE へのシフトが与える影響は大きいものがあります。

朝日新聞の記事によれば,エタノールに含まれる水が分離してしまい燃料に水が混じる可能性がある,といった技術的な理由が業界の ETBE 利用決定の背景にあるのだそうです。一方,石油連盟の プレスリリース にあるように,ETBE はその毒性の検証と安全対策にまだ時間がかかります。さらに,こうした問題に加え,エタノール燃料の製造の採算性という問題があります (国内の現状についての情報は,NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク『バイオマス白書2007』 所収 「バイオ燃料2 導入政策と課題」 の (3) 「国産バイオ燃料利用上の課題」を参照してください)。個人的には,ETBE生成のために新たに大規模施設を建造することは,結局は特定の大企業を潤すことにつながらないのかしらん,という感想を持っています。

ちなみにフィンランドでは,バイオ燃料としてETBEとエタノールの両方が使われているようです (NESTE 社のバイオガソリンに関する FAQ [以前のブログ記事参照] によれば,現状では Futura 98 というガソリンにエタノールが直接混合されているらしいです)。

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Enroviisu フィンランド代表決まる

フィンランドで初の開催となるユーロビジョン (Eurovision, フィンランド語 Euroviisu) [YLEのホームページ] のフィンランド代表が,下馬評どおり Hanna Pakarinen の "Leave me alone" [歌詞] に決まりました (投票総数25万票の 44% の支持を得たそうです)。最終選考に残った3組 (Hanna Pakarinen "Leave me alone", Thunderstone "Anyone Anymore", Lovex "Face in The Mirror" - そう,3曲とも歌詞は英語なのです。フィンランド語の曲は12組中4曲だけ) の選考会のライブ映像は YLEのニュース映像 として (Real Media) 配信中です。いつまで公開されているかは分かりませんのでチェックはお早めに。

Pakarinen の "Leave me alone" の音楽とビデオYLE のユーロビジョンのページSuomen karsinta / Finaali から 視聴 できます (英語のページには音楽へのリンクがありませんのでご注意。Katso video でビデオが,Kuuntele audio で音楽が視聴できます)。

第52回ユーロビジョン (Eurovision Song Contest Helsinki 2007) は,ヘルシンキアリーナで8月10日に予選が,12日に本選が行なわれます。昨年はモンスターバンド Lordi が圧倒的な存在感でフィンランド代表としてはじめての優勝を飾りました [以前のブログ] が,さて今年はどうなるでしょう?そういえば, Lordi が4月に 初来日する (ウドー音楽事務所のページ) という話もありましたね。

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新しいフィンランド語入門書

フィンランド語の新しい入門書がこの2月に出ました。吉田欣吾先生の『フィンランド語のしくみ』(白水社,ISBN: 978-4-560-06773-4,¥1,600円)。白水社の新しい「言葉のしくみ」シリーズの一冊です。先日も 「まずはこれだけ」 シリーズのフィンランド語の入門書が出るなど,最近急にフィンランド語関連の学習書がにぎやかになっていますね。

『フィンランド語のしくみ』の前半には,初めてフィンランド語に触れる人に知ってほしい情報が,丁寧に並べられています。これまであまり見たことのない,フィンランド人の文字の書き方の説明まであり,これがとても面白い。また,入門書では省かれることが多いと思いますが,造語法 (「複合語」や「派生」) の説明にもページが割かれています (pp. 30-32)。造語法を理解することは語彙を増やすための重要なステップで,フィンランド語をある程度学んだ時にその重要性に気づく人も多いはず (拙著 『語学王 フィンランド語』 『ゼロから話せるフィンランド語』ではページの制限の都合で泣く泣く「派生」の説明を省きました)。

後半では,フィンランド語の文法の要点が大きく3つのポイントから整理されています。

  1. 区別のしくみ:「どんな」ものかを表現するための表現方法。
  2. 人と時間のしくみ:「誰」が「いつ」するかで変化する動詞の形。
  3. 「てにをは」のしくみ:格と所有表現。

最後には,乗り物やメニュー,店などの開店時間や本のタイトルなど,フィンランド語の表現の具体例が解説され,8センチCDに収められたフィンランド語の音声とともに,フィンランドの雰囲気を楽しめるよう工夫されています。

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