日本とフィンランドがつなぐ希少糖研究
「フィンランドといえばキシリトール」というくらいフィンランドのキシリトール xylitol (フィンランド語 ksylitoli) 研究は日本で有名ですね。先日,日本とフィンランドとの研究・教育・文化の交流促進を目的に活動している フィンランドセンター が出している季刊の情報誌 Koivu (Vol.2, 2006年夏号) が届いたのですが,キシリトールのような糖の研究・教育を国際的に進めている拠点 希少糖研究センター が日本の香川大学にあることをはじめて知りました (「希少糖のページ」 も)。ブドウ糖など,自然界に大量に存在する糖に対し,キシリトールなどの糖は「希少糖」と呼ばれ,非常に稀にしか存在しないにもかかわらず,膨大な種類があるのだそうです。希少糖は生成が非常に難しく,また高価であるため,希少糖研究センターでは,各種希少糖の分析・分類と機能・効果の分析,そして安定した生産方法の確立のための研究が進められているそうです。
キシリトールの語源となったのはギリシア語 ξυλον (xylon 「木,森」) です。もともと白樺のチップから採取され,甘味料として使われていたそうですが,化学成分としてはアルコールで,糖ではなかったのだそうです。フィンランドでは1970年代にキシロースという糖からキシリトールを工業的に合成する手法が確立され,甘味料や食品,医薬品に安価に応用する道を開きました。1975年にはガムの製造販売が始まっています。
キシリトールは通常の糖と異なり,医学的に以下のような特徴があるそうです (Jenkki ガムで有名な Leaf が提供する Xylitol.net の Ksylitolitietoa (キシリトールについて) のページより 。また,同サイトでは キシリトールの歴史
も見ることができます)。
- 虫歯を防ぐ
- 虫歯や歯周病の原因となるバクテリア (Streptococcus mutans 「ミュータンス菌」) が栄養素とすることができない
- 歯垢 (フィンランド語 plaakki; plaaki-n 《属格形》) の増加を防ぐ
- 歯垢をみがき落としやすくなる
- 歯のエナメル質の再石灰化 (フィンランド語 remineralisaatio) を促す
- 口中の防疫機能を高める
- 唾液の分泌を促し,口が渇く症状を緩和する
ちなみに,キシリトールは元素記号で表すと「C5H12O5」つまり炭素が5つの単糖 (5炭糖) ですが,香川大学の希少糖研究センターでは,炭素が6つの単糖 (6炭糖) が重点的に研究されているようです (wikipedia にキシリトールの写真と分子構造の図があります )。日本でもすっかり定着したキシリトールですが,意外なところで日本とフィンランドの接点があるのですね。
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